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3分の白昼夢/時が解決するのだろう

訃報が届いた。
あまりにも突然の別れだった。
わたしは何も感じなかった。
痛みを感じるよりも早く、わたしの「核」がポロリと穴から抜け落ちた。
涙は微塵も出ていない。
滲みもしない。
ただ、空腹に襲われ、黙々と野菜を刻み、焼きそばを作った。
それで何かが満たされた気持ちになった。
本気でそう思った。
テレビではサッカーの試合をやっていた。
それを食い入るように見つめ、アドレナリンを放出した。
部屋にこの世で一番苦手な昆虫が現れた。
飛び上がるかと思ったが、いつもより恐怖は感じなかった。
殺虫剤の二刀流で果敢に立ち向かう。
わたしも大人になったのだ。
そう、一人で悦に浸った。
そして、ふと思った。
──何をやっているんだろう──
本当だ。何をやっているんだろう。
涙が出ない。何をやっているんだろう。
胸が痛くない。何をやっているんだろう。
悲しくない。何をやっているんだろう。
泣け。わたし。
泣きたいはずだから。
拳で胸を二度叩いた。
大きな息が漏れた。
泣けるかと思った。
だけど、滲んだのは、鼻の際の汗だった。 

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