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十八/レージフリーク

「リュウは戻らなかったの?」
 麗次は歩道に立ち止まると、携帯電話に噛みつくように言った。
「てっきりレージと一緒だと思ってた。あいつがギターを置いてくなんておかしいと思ったけど……じゃあ、あいつ……」
 メンバーの当惑した声が、早朝の青空の下で奇妙にはっきりした輪郭をもった。
「ごめん、ぼくのせいだ……」
 感情にまかせて相棒を置き去りにしたことが、大きな後悔となって押し寄せた。

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2,119字
オリジナルBL小説です。全30章。完結済み。 18禁につき、ちょっと過激な描写もあります。

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