十七 予期せぬ敵/アルカナ眠る君に噓はつけない
悠真が目覚めた頃には陽が高く昇っていた。仁の姿はすでになく、ベッドサイドにメモ書きと携帯電話、そしてクレジットカードが置かれていた。
──仕事だ。夜の会食にはおまえも来い。それまでにスーツを用意しておけ。一階にテーラーがある。夕方には連絡する──
会食……?悠真は朦朧とそれらを見ると鉛の身体を起こした。節々が痛む。下腹部にも覚えのある刺激が走り、立ち上がるのも困難だった。
ここから先は
3,415字
某BL雑誌でA賞を取った作品です。
完結しています。全27章。凡そ75000字です。
18禁指定。少しハードなBLです。
アルカナ~眠る君に嘘はつけない~
750円
義父の通夜で初めて義兄<仁>の存在を知る悠真。実父を憎む冷淡さがありながら禁欲的で支配性すら感じる魅力に悠真は不覚にも魅せられてしまう。目…
サポートをしていただけると嬉しいです。サポートしていただいた資金は資料集めや執筆活動資金にさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。