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十九 夢の終わり/アルカナ眠る君に噓はつけない

 悠真は空港のロビーで二日酔いの頭痛と戦っているふりをした。そう、ふり。本当の痛みは別の場所にある。
 胸が痛かった。義兄と居た数日間は泡と消え、また元の生活に戻ってしまう。それがこんなにも虚しく、心を削ぎ落とした気持ちになるとは思いもしなかった。

 今朝も隣に仁の姿はなかった。すでに荷物を纏め終えたのか、パソコンを開いて仕事を始めている。
「おはよう」そう呟いて、半身を起こしたところで気付いた。
 貞操帯がない。しかし、チョーカーはそのまま。そして、両足首には首輪と揃いの華奢な足枷がついていた。

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1,224字
某BL雑誌でA賞を取った作品です。 完結しています。全27章。凡そ75000字です。 18禁指定。少しハードなBLです。

義父の通夜で初めて義兄<仁>の存在を知る悠真。実父を憎む冷淡さがありながら禁欲的で支配性すら感じる魅力に悠真は不覚にも魅せられてしまう。目…

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