茅ヶ崎海雪_小_

「自然の美しさには勝てないが・・・」

PCの画像の整理をしていたら、数年前に雪の降る茅ヶ崎で撮った画像が・・・

誰もいないサザンビーチ、砂浜に積もった雪、風は止み波は一切ない、沖からは静かに霧が流れてくる・・・波打ち際に立っても、どちらが海なのか分からない・・・そこに、異界へ続くような先の見えない道・・・

「嗚呼、凄い、美しい」と純粋に感動した・・・その時、こんなものは、どうやっても人間には生み出さない感動であり、自然の造形には勝てないとつくづく感じた。

 私は長年、工芸家や美術家と共に、美しいもの、人を感動させるものを生み出すお手伝いをして来た。でも、こころのどこかで作為のない自然の作り出す完全な造形には勝てないとも感じている。
 しかし、美しいものを作りたい、人を感動させるものを作りたいと願う、人間のその「作為」の中に未完全な「愛すべき美」があるような気がする。

 決して、自然の美には勝てないが、美しいものを作りたいと願う人間が私は好きで、それが私の続けて来た仕事の意味なのかも知れない。

 古い一枚の画像を見て、改めてそんなことを思って見た・・・

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