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広告、あるいは待ち時間

 現代人はどれほどの時間を、動画の始まる前の広告がスキップできるようになるまで待つのに費やしているのだろうか。

 少し前まで作業中はニコニコ動画のマイリストに入れた音楽を流していたのだが、あまりにも広告を挟んでくるものだから、嫌気がさして最近は使っていない。YouTubeのほうが幾分、広告の量、質ともにましである。企業としての余裕の差かもしれない。

 現代と言うのはすごい時代で、膨大な量の動画を無料で見ることができる。しかも見るだけではなく、自分がクリエーターとなって投稿することも、さらにそれで生活していくことも可能である。しかし当然ながら、企業の運営や投稿者への報酬としてお金が必要であり、それは動画に広告をつけることで賄われている。

 そういうわけで広告がついてくるのは仕方がないことで、むしろそのおかげで我々は直接お金を払わずに動画を楽しむことができるのだが、それでも動画のたびに広告が早く飛ばせないかと待つのは、いい気分ではない。

 それにネットの広告は「意地悪」である。YouTubeであれば、手が離せなくてひとつめの広告をスキップできないでいると、2本目を差し込んできたりする。また動画の最初に挿入されるものだけでなく、動画の途中に画面の下側に表示されるバナー型のもあるのだが、これが出てくるタイミングが、再生ボタンを押して、マウスから手を離したころなのである。またマウスを操作しなければならず、広告を消すボタンも小さいので、ちょっと面倒くさい。

 とはいえYouTubeはまだ良心的なほうである。少し前にはスマホのブラウザで、画面の真ん中に出現して下まですうーっと下りていく広告が、「うざい」と話題になったが、あれほどの不快感はない。あのタイプの広告、最近見ないが規制でもされたのだろうか。

 ここ数年はYouTuberが流行りだが、彼らが登場し始めた頃、広告にも3Dモデルが登場していたが、あれはどこが出していたのだろう。社会人1年目の何某だったり、ぼそぼそ喋る女性だったり、スキップする前に商品が出てこないものだから結局何のコマーシャルなのかわからずじまいである。人物モデルも含めた広告のクオリティも低く、そのくせ遭遇する回数は高いから、スキップするまでの数秒が大変長かった。あれ、商品にいい印象を抱く人もそんなにいないと思うのだが、いくらお金かかってたんだろうか。

 最近は3Dモデルは見なくなった代わりに、漫画仕立てのこれまた商品がなかなか出てこない広告が増えた気がする。一応声はついているものの、喋り方が3Dモデルのときと同様に、なにか気に障るような感じでこれもあまり出会いたくない広告である。漫画のほうも絵がいまいちだったりするが、たまに上手なケースもあって、この人どうしてこんな広告の絵描いてるんだろう、食べるの大変なのかななどと思ってしまう。

 まあ、たまには最後まで見てしまう広告もある。具体例は思い出せないが。

 もっともYouTubeにもニコニコ動画にも、お金を払って広告を消す会員制度(ほかにも特典はあるが)があるので、広告見たくないならお金払えと言われたらそれまでの話である。今のところYouTubeに関しては、わざわざ有料会員になるまではないかな、というところだ。ニコニコ動画は広告が多いし最近は見ていない。

 そういえばTwitterには広告がなくなる有料プランはまだなかったか。最近5ツイートに1つくらいの割合でプロモーションツイートが挟まれるようになっており、前より明らかに増えている気がするのだが。

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