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大切な「初めて」はずっと。
嬉しい、腹が立つ、悲しい、楽しい……。
このような「感情」は人が生きていく上で切り離すことができないものだ。しかし感情があるからこそ人生に緩急が出るとも言える。
自分の感情の動きを顕著に感じる時がある。
それは「初めて」に遭遇したときだ。
ある暑い夏の日。布を一枚敷いたフローリングの上で目が覚めた。
視界には見たことのない天井。左右には積み重なったダンボールやプラスチックのケース。きしむ体を無理やり起こして窓を開けた。
「今日からここで暮らすんだ」
サラリーマンの端くれであるから、さぼらない限り、月々給料は振り込まれる。この家に引っ越してくる前に月々の収支のシュミレーションをし、大丈夫だと何度も確認をした。だけど不安を拭い去ることはできなかった。色々な背景を孕んでいたのもあるけれどあの夏の日のことは、匂いは、今でも鮮明に覚えている。
初めてのデートの日。前日の夜から何を着ていこうかとクローゼットを引っくり返して服を選んだ。夜はなかなか寝付けなくて、朝は早めに起きてしまった。
髪は巻いていこうか、アイラインは濃すぎないほうがいいかな。鏡の前でいつもより入念にメイクをして、この日のために新調したリップグロスで仕上げてみる。
朝から張り切って準備をしたところでデートは夕方。照準をその一点に合わせなければ意味がない。わかっていても胸の高鳴りが止まらなかった。もちろん、夕食を共にしたときの時間は何ごとにも代えがたく、多分この先も忘れない。
新たな掌編小説を書くとき。プロットと言える程のものではないけれど、ある程度の流れを頭で組み立てる。キャラクター同士の関係性、絶対に言わせたい台詞、そしてキャラクターの名前にもこだわっている。春の物語であればその時期にふさわしい草木の名前を織り込んでみたり、相手役に読んでもらった時に響きがよい名前になるように音から考えたり。名前をつけて初めて、登場人物は輪郭をなしていく。命が宿る。そうやって生み出したキャラクターが文字の上で動き出すワクワクが大好きでやめられない。
このように生きていれば「初めて」のことに遭遇する。その「初めて」が良いのもであっても、悪いものであっても私は「初めて」を大切にしたい。なぜならば、その心の“動き”が“記憶”に刻まれるからだ。
辛いと刻まれた記憶はいつか、自分のバネになってくれるかもしれない。
幸せを刻んだ記憶を呼び起こせば、心を安らげることができる。
もちろん、忘れてしまう「初めて」だってあるだろう。
だけどそれはそれで構わない。
大切な「初めて」は、ちゃんと覚えているから。
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#noteリレー という企画に参加させていただきました。
ふんわりとしかこの企画について把握をしていなかったので、まさか私にバトンが回ってくるとは思っていなくて嬉しい限りです。
私にバトンを回してくれたのは百瀬七海さんです。
こちらが七海さんの記事です。
七海さんはご自身の人生の中で関わるひとりひとりと真剣に向き合って生きてこられたのだろうなと感じました。だからこそ、その時の記憶や経験が記事になったとき、読者の心にすっと入ってくるのでしょう。
そんなまっすぐ、凛とした七海さんの雰囲気に、書く文章に魅せられたのは私がnoteを始めた初期の頃から。どうしても小説は読まれにくいnoteの街で小説を書く七海さんに出会えて、私も書き続けていいんだ、と勇気をもらえました。
今ではお互いの小説を繋ぎ合う「マジカルバナナ的リレー小説」を共に更新させていただいています。
お時間がある方は是非御覧ください。
七海さん、いつも仲良くしてくださり、ありがとうございます。これからもどうぞよろしくお願いします。
さて、私が次にバトンをお渡しさせていただくのは竹野まい香さん、通称まいたけさんです。
まいたけさんとはTwitter上で「note酒場に行きたかったね」とやり取りをさせていただいた時から(2人共、2019年の参加見送り組でした)勝手に親近感を抱いています。また、2020年6月の呑みながら書きましたの記事をTwitterでシェアしたとき、リプライで励ましてくれたのがとてもとても嬉しかったのを今でも覚えています。
あのときは本当にありがとうございました。
まいたけさんはとても真面目な人。
紡ぐ記事は低めの温度設定がされているようにみえるのにいざ読み進めると熱量は大きく、程よい重さがあって心にストンと入ってきます。エッセイに共感できるのはきっと、ご自身の経験を咀嚼してアウトプットするのがお上手だからなんだろうなと感じています。
映画や推しに対する記事にも並々ならぬ熱量があります。それは好きなことに真面目に、どっぷりと浸かったまいたけさんにしか書けないものだと思います。
また、まいたけさんといえばコスメ日記。
日々着実に、コスメ日記は成長し続けており、私もコスメを買う前にこのハッシュタグで記事を読み漁ったりしています。素敵な企画は今もなお続いていますのでご興味のある方は是非。
そんなまいたけさんへのお題は「ターニングポイント」です。
まいたけさんのnoteを拝読し、色々なことがあったのだろうなと漠然と感じ取っています。共感できる記事も多く、こみ上げてくるものも。そんな、まいたけさんの人生において転機となった出来事をもう少し覗かせてほしい! と思ってのお題とさせていただきます。
最後になりましたがsakuさん、素敵な企画をありがとうございます。
七海さん、貴重なバトンをいただけて光栄です。
まいたけさん、よろしくおねがいします!
いただいたサポートを糧に、更に大きくなれるよう日々精進いたします(*^^*)