見出し画像

毒親からの昼逃げ記録④≪昼逃げ決行!初めて聞いた毒母の本音編≫

5月3日早朝。
毒母の外出を確信した私達夫婦は昼逃げを決行する事にした。
ミッションは二つ。
⓵私達一家の荷物の運び出し ②猫の運び出し
まぁ要は自分たちの持ち物を家具以外を一切合切持ち出さなきゃいけないという事に。車二台で。マジか。
旦那の車と私の車(最近練習始めたばかり、もう一回言うが時速30kmで涙目の女)だけが頼り。

とりあえず義実家から実家へと向かう。
よし!毒母の車なし!……にしても娘一家に出ていかれたのに予定通り映画見に行くんだ。出かけてくれて助かったけど、なんていうかいいご身分だことで。
祖母には事前に荷物を取りに行くと連絡してあったのでスムーズだった。
とにかく時間がないので荷物を詰め込む。
こんなに早くこの家出る事になるとはなぁ……こんなコソコソ出ていくのしんどいなぁ……旦那にも子どもにも迷惑かけちゃって申し訳ないなぁ……とそんな事を考えているうちにだんだん具合が悪くなってきた。
いつもは鋼の強メンタルの旦那も「なんかこの作業しんどい……」とちょっと顔色が悪い。
ウキウキするような引っ越しでない片付け作業は精神を蝕むと身をもって体験した。

荷物を積み込み終わり、義実家に戻ることに。
祖母「本当に言っちゃうの…?」とかMermaid Festa vol.1(ラブライブ)みたいな事を言い出したけど、「本当に出ていくよ」とキッパリ。
ちよ「だっていつ帰ってくるか分からないから」
祖母「帰ってきたら嫁さんなんて言うかね……」
旦那「怒り狂って刺すかもしれんなばあちゃんの事」
ちよ「まっさかー!…………。ありうるかも」
戻らなければいけないけど祖母も心配になったので万が一の保険としてスカイプ通話をこっそりつないで帰ることにした。
聞いていてもし何かあったらTU-HOしようと思ったのだ。
(何かあっても助けられないけど他に方法が思いつかなかった)

車二台で帰ることになったが正直、山奥の義実家まで行くのはしんどい。
駐車できる知り合いにスペースを貸してもらい、そこに後日旦那が私の車を取りに行くことにした。
「そこまでは国道で楽だから、運転できるか?」と旦那に言われ途中まで運転することになっていたが。
私は「やっぱり私も義実家まで運転する」と言った。私と毒母の事で旦那にずっと迷惑をかけ続けているが、旦那は全然文句を言わない。こんな事に巻き込んでしまってもなお。なのに運転怖いって理由でまた迷惑かけてもいいのかな、と思ったのだ。結果として、時速30km涙目ペーパードライバー女は一時間半の山道を運転し、無事に義実家にたどり着いたのだ。
……それにしても火事場の馬鹿力だった。頭が狂っていたからできたものの、今考えると恐ろしい。事故にでも遭ったらどうするんだ。

こうしてようやく義実家に帰ってくることができた。
落ち着く間もなく祖母の事が気になってスカイプを聞くことにした。
夕方になった頃、毒母が帰ってきたような動きがあった。
祖母『荷物なくなってるの、見たかい?』
毒母『……見ましたけど』
祖母『分かっただろう、もう一緒に暮らしたくないって出ていったよ。私だってせっかくひ孫と暮らして楽しかったのに、アンタのせいだよ』
毒母『でも、そんな事言うけどそれって私のせいなの?』
この後、毒母は私には決して言わなかった本音を大声で叫んだのだ。

毒母『ちよこがあんな風に育ったのって全部私のせいなの!?私は毒親だってちよこの旦那君にも言われた。同居の前に毒親の本も渡されて勉強してほしいって言われた。でも私はその本に書いてあるような毒親なんかじゃない!おかしいのはあの子!!だって私は次女とはうまくやってるもの!!』

あ………………………………………………………………………………………………………………………………へぇー……………………そうなんだ……………………そういう風に思っていたんだ……………………あくまでも私がおかしいんだな、自分の方がおかしいのかもしれないとかそういう事は全く考えないんだな……………………そっか……。

この時の衝撃は今でも忘れられない。「そうだったんだ」という驚きと同時に「やっぱりな」という思いもあった。
おかしいのは私。そうかもしれない。そういう面もあるかもしれない。だってあなたの子どもだからね。おかしい所もいっぱいあるでしょうよ。でも、今まであった事を全く自分のせいだとは思わないのは、ちょっとそれは、人間としてどうなんだろう。
こっそり聞いた事は悪い事だけど、ここでハッキリ本音を聞けて良かったと今では思う。
この一言があったからこそ、毒母への子どもとしての愛情や未練を断ち切れたからだ。

次回、⑤≪母の日に書いた決別の手紙編≫(終)です。