ハロンタウンのユウリとは誰だったのか(キバナ×ユウリ)
「ちょっと待てよ、嘘だろ」
深海の底で、気が遠くなるような時間を、過ごした気分だった。
何重にも重なったベールの向こうから、声がする。
「お前、なんでこんなとこにいるんだよ」
耳は聞こえる。
だけど、目が鉛のように重たくて、開かない。
低くてよく通る声は小さく、震えていた。
聞いたことがあるような。
誰だっけ。
「ユウリ!……おい、起きろよ!」
声の主の名前を思い出す前に、彼が呼んでいるのは、
自分の名前であることに気づいた。
思い引力に逆らうようにして、薄っ