ミャンマー軍事政権逆戻り…について、留学経験者が感じたこと。

2021年2月1日、衝撃的なニュースが飛び込んできた。

ミャンマー国軍がアウンサンスーチー国家顧問、ウィンミン大統領、その他関係閣僚を拘束。1年間の非常事態宣言を発令し、軍トップが臨時大統領に。非常事態宣言の理由は(アウンサンスーチー氏率いるNLDという政党が大勝をおさめ、USDPという軍系の政党が大敗した)昨年11月の選挙で不正があったため、と国軍が主張。

昨年11月の選挙で軍系の議席があまりにも少なくなったので、国民の間では何か起こるのではないかという噂がちらほらとあったんだとか。
また、2月1日の新議会発足の数日前に軍が「先の選挙では不正があり、憲法にのっとって対応する」と示唆する記事も出ていた。

(※詳しくは各メディア記事をご覧ください。)

…とはいったものの、「憲法のもとに動く」と言っていたので特段大きな動きは無いのだろうと思っていた矢先のこの出来事。

朝起きるとこのニュースが目に飛び込み、すぐに現地の友人たちに連絡を試みる。既に、一部の携帯キャリア会社のネット回線は遮断されており、連絡が取れない友人も。その後、携帯キャリア会社4社全てのネットが遮断され、WiFi接続の友人と連絡が取れるのみ。

そして、テレビ局も放送ができなくなり、軍による放送が1局でのみ。

あまりにも急な出来事で。急展開で。日本にいながらゾッとした。

東京で、日本に住むミャンマー人が集まり、「我々の国を救ってください。軍の取った行動に国際世界から圧力をかけてください」と訴えるライブ動画がFacebookに流れてくる。

テレビでもトップニュースで流れている。

ツイッターでも普段トレンド入りしない「ミャンマー」という文字が。
そこには「あーまたか。」などの文字。

こんな形でトレンド入りするのはとても複雑で。悲しかった。

そして、どこか信じられない気持ちでいっぱいだった。

一年前まで住んでいた国で、穏やかで親切な人々に溢れる国で、ゆっくりと時が過ぎていく平和そのものに見えた国で。

本当にこんなことが起こっているのか。
普段穏やかな人たちが怒りをあらわにする様子。どれだけ苦しいか。悔しいか。


…その一方で、私のタイムラインには普段と変わらないパンケーキの写真を載せる日本の友人の投稿。ニュース速報では、緊急事態宣言下でクラブに行って辞職する日本の国会議員に関するニュースが。


なんだろう、この温度差。これが世間一般の反応なのか…と。もどかしく思う一方で、ミャンマーに馴染みがなければそりゃそうだよなぁ。と思う気持ちもあり、、、

無力な自分、何をするべきなのか、と問う自分、、、

そうこうしている間にも、ネット遮断が解かれたミャンマー人の友人たちによる怒りの投稿が溢れていく。

Facebookのプロフィール写真は、軍への抗議の意味を込めて真っ赤に染まり、ミャンマー人の友人の投稿で溢れるタイムラインは真っ赤。

ミャンマー人セレブたちも抗議。

そして、何故か、大人気歌手で俳優のSai Sai Khan Langがプロフィール写真を変えた時、大ブーイングが起こっていた。「これはなぜなのだろう。家系が軍系なの??」など疑問が沸きあがっても、いつものようにミャンマー人の友人に聞くことはできない。


ミャンマー時間の深夜0時にネットが再び完全遮断されるとのうわさがあり、ミャンマー人の友人たちは、ネットが遮断される前に必死で世界にこのことを知ってもらおうと、誰かが書いた文をコピペして投稿していた。

If you do not hear anything from us in the next few hours or few days, please know that the military has cut off the internet connectivity and taken our freedom of speech away as well.
We as a citizen of Myanmar do not agree with the current move and would like to request the world leaders, UN and the global media to give a hand to our country- our leaders- our people - from this bitter acts. We want democracy and want our country being track on the democracy route!
#saynotomyanmarmilitarycoup
#justiceformyanmar
#savemyanmar

ある友人はこんなことを言っていた。

ミャンマー国民みんなの夢が奪われてしまったよ。経済的にも政治的にも教育的にもいろいろ大変になるからね。がんばっても成功できない時代がまた来るのは心配なんだ。
一年だけと言っても何年かかるのかだれも分からないです。

せっかく国が開いてきて、発展してきて、
努力したら報われる時代になってきているのに、それが強硬手段によって一瞬で奪い去られてしまう。


本当にやるせないし、悔しい。。。


一日中SNSとニュース記事を追い、気づけば1日が終わっていた。夜布団に入ってからも眠れなかった。


出来ることは何なのか。正直今も分かりません。

ただ、昨夜のミャンマー人の友人の投稿にできる限り目を通し、感じたことは、皆この逆戻りの状況を全く望んではいなくて、逆戻りにならないよう、少しでも多くの人々に知ってもらいたい

そういうことなんじゃないかなと。

とはいったものの、ミャンマー人とコネクションを持つ外国人の数は限られている。

私たちのような専攻学生やビジネスでミャンマーに繋がりのある人、旅で繋がりのある人、、、

数は少なくとも、私たちが彼らの声を外へと共有すること。これが今できることなのではないかと思った。

▼署名活動に私も参加しました。少しでも多くの人に共有することが必要だと思っています。2021年2月2日11時半現在で既に21万越えの署名が集まっています。一度立ち止まって、何が起きているのか、見てみてほしいです。


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