[コラム] 子育てのアドバイス冊子。当たり障りなくしすぎると逆に当たり障る。
娘の保育園からのおたよりの中に2歳児を育てている保護者向けのアドバイスが載っている小冊子が挟まっていた。
内容的にはありきたりなことで、平均的な2歳児の発育の特徴や、いわゆる “魔の2歳” とどう向き合っていくのがいいのか、などが書かれていた。
それは行政が、子育てで悩む保護者のために、少しでも助けになればと思って作ったものかと思う。
(保育園の人が作ったものではない)
参考になることもたくさん書いてあるし、自分がやってることは間違ってないんだなとわかる部分もあって、私は読んで何の不都合もなかった。
だけれど、だけれども。
その冊子には、本当に一般的なことと、常識的なことしか書いてないことがちょっと引っかかってしまって、それを書いておきたいと思った。
この冊子を読んで、逆に追い詰められてしまう人もいるんではないか…?
例えば、平均的な2歳児と言えば、イヤイヤ期、という図式がある。
子供がギャーッとなっていたら、「どうして泣くの?」「どうしたいの?」と聞くのは逆効果、「〇〇したかったね。」など気持ちを代弁するようなことを言いましょう。
ダメなことはダメと根気よく伝えましょう。
的なことが書いてある。
これは確かにそうなんだ。そうなんだけど、怒涛の毎日の中で、こんな仏みたいになりましょうって言われたらどうかな。
頭ではわかってはいるけど、「いいかげんにしろ(゚Д゚)ゴルァ!!.」となる瞬間が多々ある。
そんなのはわかっている…でもできないときがある。
これを読んで、「そうか、そうすればいいのか!」となる方が少なそうで、「自分は全然できていない…ダメな親だ…」と感じてしまう人がいるんではないだろうか。
こういった冊子は、「そうできたらいいよね~あはは~」と、参考程度に受け流せばいんだけど、それができない人もたくさんいる。
これを作った人たちは、果たしてそこまで考えて書いてるのかな?? いや、考えてないだろう…。
という薄っぺらさを感じてしまった。
何と言うか、アフィリエイトの目的で作られた当たり障りのない内容の育児サイトのような文面。
私もいくつか書いてきたらわかるんだぜ。
イヤイヤ期の子どもとの付き合いで、保護者が悩むことは、子どもの扱い方よりも、むしろ、自分自身の感情のコントロールをどうしたらいいのか…ということだったりしないかな。
子どもや自分自身と向き合いきれなくなった時のアドバイスもあるとよかったな。
・
それから、もう一つ。
この冊子には、2歳児の平均的な発達の説明も書いてあった。
うちには、4歳になるダウン症のお兄ちゃんもいる。
だからわかるんだけど、発達がゆっくりだったり進み方が違っていたりすると、このような目安はまるで参考にはならない。
私の場合は「ほー、他の子はこんなに大変なのか…。こんなことできるだ~」と興味深く読めたりもするんだけど…
2歳くらいになって、「もしかして…うちの子、成長が遅いのでは…?」と感じている保護者の人からしたら、この冊子は余計に不安を煽るものになってしまわないかと、勝手に心配になってしまった。
同じ2歳といっても、明確なイヤイヤ期が始まってなかったり、そもそもイヤイヤ期がなかったりする子だっているわけで。
運動面や、インプット・アウトプットの度合い、感情の出し方、切り替え方、言葉の発達も、育ち方はいろいろだ。
いろいろでいいんだ。
だけど、こうやって平均的なことを、さも当たり前な感じで書かれてしまうと、極端な人が読んだ場合、それと比較して、我が子は変なのかな? 遅れているのかな? 成長早いのかな? みたな評価になっちゃいそうだな。
このようにみんなに配るものだったら、発育の仕方はマチマチで当たり前、不安がある場合は、どんな相談窓口やサポートがあるのか、などの方がしっかり書いてあった方がよいのかなーと思った。
(最後のページにちらっとあったけど)
平均はあくまで平均なんだ。
冊子に書いてある ≪2歳児の特徴≫ に、我が子が当てはまらなくても、それを “劣っている” と捉えないような工夫があるといいのかもな。
それは劣っているのではなくて、単純に違っているだけ、個性なんだ。
でも2歳くらいだと、我が子の発育に対してデリケートになる人もいるので、みんなと同じにできないことを、ものすごく心配してしまって、心配していることすら心の奥底に封印してしまっている人もいるかもしれない。
だから「みんなと同じにできない…みんなと同じにできてほしい…」と思わせてしまうより、本人がありのままで無理なく過ごしていける環境をどうやったら作って行けるか、思い切って考えてみよう! って、それが伝えられる冊子だったらすばらしのになー。
こんな冊子にそこまで求めなくても…と言えばそこまでなんだけど。。。
子育てを支援していかないといけない人たちが作ったものなので、もう少し熱意を感じたかったな…と思ったできごとでした。
ちなみに…ここは普段、SF小説を主に書いているアカウントです👽
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