[ショートショート] 秘密警察を宣伝してみる
道路標識の裏に「へのへのもへじ」が描いてあった。
今時「へのへのもへじ」なんて描くやついるんだ…と思いながらぼんやり眺めていると、その下に小さな文字が書かれていることに気がついた。
近寄って見るとそこには「MzUuNzEzOTk4MiwxMzkuNjgzNTQ5Mg==」と描いてあった。
僕はそれがとても気になってしまい、写真に撮った。
学校に行くと、一番頭のよい出来杉くんにこの文字を見せた。
すると彼は、何かの暗号じゃないかな…と言った。
やっぱりそうだよね、と僕は思った。
僕は放課後、出来杉くんを誘って自宅のパソコンのプログラムで解析して見ることになった。
つい先日、僕はちょうど暗号解析プロクマラムを完成させたばかりなのだ。
僕たちはさっそく例の文字列をプログラムに食わせてみた。
するとどうだろう、文字列が数字に変換されてたではないか。
35.7139982,139.6835492
いったいこれは何の数字なんだろう…?
「電話番号かな?」
「桁ががちがうよ」
「IP?」
「それも違うな…まてよ、これは!?」
出来杉くんが何か閃いたようだ。
「これは!緯度経度じゃないなか??」
それはまさに緯度経度だった。
それはとある公園を示していた。
近所の公園だ。
僕たちは急いでそこへ向かった。
小さな公園だった。
何か手掛かりになるものはないかと探していると、隣のクラスの源くんがやってきた。
そして源くんは言った。
「ようこそ秘密警察に。あの宣伝文句に気が付くとはさすが君たちだ」
僕たちはポカンと口を開けて源くんを見返した。
(643文字)
▽たらはかにさんの『毎週ショートショートnote』に参加します。
「へのへのもへじ」って本当にあちこちに書いてあるんですよ。
本当に暗号なんじゃないかな。
ぜひ探してみてください。
※写真は私が実際に撮ったやつ
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