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みたらし団子と罠 下

この物語は2章構成になっています!


二章:過去の影

店の奥の座敷で、男は美咲に自分の過去を語り始めた。彼の名前は佐藤賢治、かつてこの町に住んでいたが、ある事件で町を離れざるを得なくなったという。その事件とは、彼の家族が謎の失踪を遂げたことだった。

「福笑いの団子の味は、母が作ってくれたものと同じなんだ。」賢治は静かに言った。「母はこの店で働いていたんだ。彼女がいなくなった後、ずっとこの味を探していた。」

美咲は驚愕した。「あなたのお母さんは、私の祖母だったのかもしれない。」

賢治の目が鋭く光った。「そうか、君が大塚の孫か。じゃあ、あの事件の真相を知っているかもしれないな。」

美咲は困惑した。「祖母は何も話してくれなかった。ただ、突然店を閉めて、私たち家族だけで再開したんです。」

賢治は深いため息をついた。「どうやら、真相を知るには、さらに調査が必要なようだな。でも、君の助けがあれば、きっと真実にたどり着ける。」

その瞬間、店の外から不審な物音が聞こえた。美咲と賢治は急いで外に出ると、店の前には黒い影が立っていた。その人物は、美咲に向かって一枚の古い写真を投げつけた。それは、美咲の祖母と賢治の母が一緒に写っている写真だった。

「これが何を意味するのか、あなたたちが考えることだ。」影はそう言い残し、闇の中に消えた。

美咲は震える手で写真を拾い上げ、賢治に見せた。「一体、これはどういうことなの?」

賢治は写真を見つめ、呟いた。「これで全てが繋がるはずだ。しかし、まだ謎は残っている。」

二人は顔を見合わせ、これから始まる新たな調査に決意を固めた。福笑いの団子には、まだ解き明かされていない秘密が隠されているのだ。

おわり



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