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みたらし団子 闇の味覚 下

この物語は2章構成になっています!

第二章:幻の真実


暗闇の中、西村は彷徨い続けた。周囲の景色は次第に歪み、現実と夢の境界が曖昧になっていく。ふと、彼は古びた神社の前に立っていることに気付いた。その神社は、どこか懐かしい感じがしたが、同時に恐ろしい何かを隠しているようにも思えた。

神社の中に入ると、一人の女性が彼を迎えた。彼女は美しい着物を纏い、その顔には微笑みが浮かんでいた。「ようこそ、ここへ。あなたが来るのを待っていました」

西村はその言葉に驚きながらも、彼女の後を追った。神社の奥には古びた祠があり、そこにはみたらし団子が供えられていた。

「この団子は、ただの和菓子ではありません」と彼女は語り始めた。「これは、魂を繋ぐための道具。食べた者は、現世と異界の狭間に引き込まれるのです」

西村は震えながら問いかけた。「じゃあ、私は今、その異界にいるのですか?」

彼女は静かに頷いた。「そうです。あなたは選ばれたのです。しかし、戻る方法もあります。それは、祠に供えられた団子を食べること。そうすれば、元の世界に戻れるでしょう」

西村はその言葉に従い、供えられた団子を手に取った。しかし、その瞬間、彼の周囲の風景が再び歪み始めた。彼は祠の前に倒れ込み、意識を失った。
目を覚ますと、彼は再び月影堂の店内に立っていた。時計を見ると、ほとんど時間が経っていなかった。しかし、彼の手には供えられた団子が握られていた。

柳川は微笑みを浮かべて言った。「どうでしたか?私の団子の味は」

西村は言葉を失い、ただ柳川を見つめた。彼の頭には、異界での体験が鮮明に残っていた。しかし、それが現実なのか、幻覚なのかはわからなかった。
その後、西村は町を離れた。しかし、彼の心には一つの疑問が残った。あの団子は本当に異界と繋がっているのか?そして、柳川の目的は何だったのか?

この謎は、西村の心に深く刻まれ、彼を再び月影堂へと引き寄せることになるだろう。

おわり



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