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この売上は誰のもの?と議論する前に

実店舗を持っている会社は、たいてい通販の売上と実店舗の売り上げと、どういう関係を保つのか、みたいなことがテーマになりがちです。で、大体通販側が『議論で負け』ます。トータル就業者数が少ないから。
それが何を引き起こすのかはさておき、なぜだか「この(具体的な)売上データは通販のものか、店舗の所属か。ファイナルアンサーは?」って神学論争ばりの議論始めちゃうんですよね。突っかかって立ち止まるのそこ(ファイナルアンサー)じゃないんですけどねぇ…

10年前くらいに流行った見える化経営事例だったり、データをいかに採るかの基礎を知っていると

データが発生する最近接部分で、できるだけ細かくデータを取る
(あとからなんやかやで分割するのは難しいというか不可能なことも多いから。後から合算するのは簡単だけど)

なのは鉄則みたいなものなので、一番細かい分類のまま、有無を言わさずばらばらに集計しちゃうんです。一番いいのは集計前の元データも保持しておくことですけど(笑)。

実際としては、実店舗売り上げ、店舗で会員登録した人からの通販売上、(しているところは)店頭でQRコードで誘導した部分の売り上げ、みたいな感じで。

あとで、その会社さんが望ましい形にもっていくために、どういう指標を作るか、(もちろん指標を設定した、その効果の出方によって変化させる)をデータを見つつ議論しながら決めていくわけです。目の回るように店舗が忙しくて、店舗店頭での荷物引き渡し作業はできるだけ避けたくて、お願いだから通販業務に移管してくれ、みたいな話だと、通販誘導売り上げに係数をかけて評価するとか。特に問題がなければ、ベースの評価は全部実店舗側に単純合計して算出するけど、物流の作業量の評価(繁閑の確認)をするために、通販部分は通販部分として合計してクロスで評価する、みたいなことをすることになるのではないでしょうか。『店舗=集客力のある看板』みたいなとらえ方をして、店舗でお客様登録したなら、全部店舗側に売り上げを算入しても、それはそれかと(従業員数で負けてるし)。

第6回01


しばらく、ある評価軸を使って一定期間評価した時に、望む方向に売上比率が動かなかったとします。新たな評価軸を設定する場合、こんな評価にすると動くのではないか?という評価モデルの仮説を立てたとして、そのモデルに基づく、過去との比較をするための再計算をすることになるわけですが、一番ベースとなるデータは何も変わっていません、と具体的に数値をみせておかないと、評価される側で不信感が発生したりします。さらに再計算する際に、元データから分割ができないなどの場合には、思い立って変えた瞬間のデータが過去データにしかならない(比較できないので評価の対象にならない)とか言うと、まずは比較対象のデータの蓄積から、とかいうともっと悲惨なことになります。

第6回02a

第6回02b


プロ(データ分析職)・アマ(他の業務も持っていて、ある業務のツールとしてデータ解析をしている)とわず、自分の頭でデータ形式から考えて格闘している人には、分割不可、指標を変えるので再集計など、当たり前の話なんですが、ところが、WebデザインとかSEO『しか』しらなくて、今回の案件を機会に、よりシステム作成の方に近い領域に進出するんだー、とかいう業者さんに当たると、サイトの施主さんと一緒に「システムって一回作っちゃうと直すの大変でぇ」とかいいながら「この売上どっちにします?」って、悩んで延々と会議したりする。いやいや、評価基準の作り方は悩んでも、一番元となるデータの最初の集計方法は一択でしょ。実データ確認機能と評価機能は別で作ってくださいよ…やれやれ。

あ、それから会社ごとだったり個店ごとだったりで、それぞれの事情に合わせた指標を作る場合(アクセス解析なんかもそう)、通販モール含めSaaSぽい環境で便利な機能を作るときは(csvなどの)データのダウンロード機能の作成必須でお願いします。

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