無名な詩
友無しちどりは現世の穹なく
迷夢の空を彷徨ゆ
羽ばたく先は何処であろうか
ハッとすると
そこは見慣れた天井
花冷えの日 ふとちどりは目覚め
小夜の寝覚め
吐いた息が 飛行機雲のように
目の前を揺らぐ
揺らいでは パッと消えや
残るは漆黒の部屋のみ
不意に月灯が広がり
とびきわ輝くは 頬につたう星だった
「バカみたい」
零れた言葉は底に落ちては
誰にも拾われる事なかれ
友無しちどりは現世の穹なく
迷夢の空を彷徨ゆ
羽ばたく先は未だわからず
おもい瞼に天幕下ろす
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