見出し画像

『蜜蜂と遠雷(下)』恩田陸 読了

あっという間に読んでしまった。小説を読むのは久しぶりだったけれど、この本を読んだおかげで、また小説を読みたいなと思えた。

登場人物が、誰かの演奏を聴きながら、演奏とは直接関わらないこと、例えば思い出とか、記憶に残っている場所とかを頭に浮かべてしまって、そこから自分の哲学とか生き方とかについて考えている描写が、好きだった。

それは自分もよくしてしまうので共感できた。

音楽もそうだけれど、映画や小説、美術などの作品というのは、見た人の頭か心のどこかに反応して、作品と自分の頭の中のどこか一部とを、突然ビビッと結びつけてしまう。

あれなんで今こんなこと思い出しているんだろう。

あれなんで今こんなこと考えてるんだろう。

作品に引き寄せられるのか、掘り起こされるのか、分からないけれど、自分の中の何かを掴んでくる作品というが、やっぱりある。

小説を読んでいてそのことを思い出したし、そんなことをぜひしたいと思った。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?