主に夜にまつわることを思うままに書き連ねました。
2023年8月27日の午前の作品たちです。


1.
夢の中の狂気に追い立てられ、私は目を覚ます。夢の中の狂気に追い立てられ、やがて君も目を覚ますだろう。私たちはなぜ、こうも夜毎、いつ切れるともしれない縄を己の身に括り付けて深い渦の奥に身を投げねばならないのか。あちらでは現実以上に恐ろしく、現実以上にはっきりとした輪郭を持ち、現実以上にどくどくと脈打つ、現実以上に鮮やかな、現実以上の現実が口をあけて私たちを待っている。
私たちは今になって、覚醒の世界の素晴らしさを語らねばならない。例えばそう、この世界には君がいる。


2.
枕元に灯りを置かずに生活するには、夜は静かすぎる。ガラス窓の奥に見えるさらにまた別のガラス窓達、そこから漏れる光、動く人々と浮かぶ衣服のシルエット、眺めればしじまの中から浮かび上がる他愛のない会話、おぞましい会話、聞くに耐えない会話、吐き気を催す生活の音、その静けさの全てが私たちを狂おしいまでの静寂の中に閉じ込める。静けさとは墓場であり、生者はそれに耐えられない。枕元に灯りを置かずに生活するには、夜は静かすぎる。


3.
あれをそうしなきゃな
そういえばそのどちらも存在しなかったな


4.
私は、あなたは、あの日の君は、今日までの全ての選択肢の元に立った私は、ただこれから待ち受けるありふれた困難と、ありふれた一時の痛みを天秤にかけてみたのだ。それだけだ。


おやすみなさい、よい夢を。

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