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アシダ音響ST-90-05 レビュー

私は16hzから20khzの純音の20段階以上の音源を自作しており、それを使ってまずは音を聴きますが、どの段階も余計の付帯音がつかず、素性は非常にいいヘッドフォンとまずは判断しました。


その上で、急速エージングに効果満点のXlo Reference Recordings Test & Burn in CDをガンガン書けまくり、更には、25年前とはとても思えない超ハイクオリティ(実際ロスレス化してもビットレートが1186kpsという、私の所蔵CDの最高値を持つ)の相川七瀬の"Rock or Die"をかけまくって一日かけてはじめて音の判断をするというのが、新製品を買った時の「儀式」です。


このアシダのヘッドフォン、最初に音楽を聴いた時は、上記の周波数別の純音のクオリティにもかかわらず、聴感上は狭い地域で、まるでビニールでくるんだような音しかせず、倍音成分や間接音成分皆無というとんでもない音しかせず、これはとんでもないハズレを引いたかなと感じていました。ゼンハイザーのHD599なんて何もエージングしない段階でも惚れ惚れするような音がしましたから。



まる1日たって、アシダの機種はやっとかなりこなれてきたようで、当初の異様に閉塞感のある音から開放され、いい意味でのモニター的響きになってきたと思います。


デザイン的には何とも地味ですが、コンパクトで、装着感も非常によく、外にも持ち歩けるという意味では、かなり便利な機種だと思います。
ただ、私の好みからすれば、音の「芸術性」というのがほとんどない(ゼンハイザーの正反対。私は414以来のゼンハイザー信者ではありますが)。
「日本の」業務用ヘッドフォンという印象はぬぐえません。

でも、「ビニールっぽい」倍音成分のほとばしりに乏しい音とは感じますが、非常にバランスのいい音とは思います。私はこの価格帯の製品にはまず手を出さないのですが、同価格帯のヘッドフォンの中では上質と感じる人は結構多いと思います。


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