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ALESSANDRO PRO というヘッドフォンの銘機

私が実に20年あまり愛用しているヘッドフォン。

私のベッドフォン鑑定の基準機として君臨している。

今もサウンドハウスから購入できる。

7万円台と少し根が張るが、高級ヘッドフォンはこんなもの、もっと高いものはいくらでもあると言う人もあろう。

他の有線ヘッドフォンはほとんどが劣化を起こして使用不能になる中、本体は長寿命。

イヤパッドだけは消耗が激しいが今でもたやすく購入できる。

この製品の最大の特徴は、ハウジング部分が、マガボニーを採用していること。エレキギターのメーカーとの提携で、当然ながらひとつひとつ手作りで彫り出されたもの。

もともとは、Gradoという、日本にはあまり輸入されていなかったメーカーがフライホイール以外を提供したものである。Gradoの、フライホイールが金属とプラスティックでできている以外全く同じデザイン(恐らく性能も同じ)の製品を持っていたが、そちらのケーブルがやられてしまったので思い切って手を出した。

完全な後面開放型。

音は、モニター的というのとはちょっと違う。やはり木製らしい独特の暖かみと色彩感があり、これはちょっと他のヘッドフォンでは味わえない風味である。

今、「暖かい」と言ったので、ゆるい音かと勘違いされると困る。

非常に広帯域で、反応スピードは速い。繊細でありながら開放的な音。

周波数特性は上は50KHzまで伸びている。

敢えて誤解を承知で言えば、やたらと高解像度でシャキッとした、タンノイスピーカー(私はスターリングを使っていた)の音みたいなものを想像してもらおうか?


ケーブルは高級OFC使用。

標準ステレオジャックだが、私はこれをミニジャックに変換して、iPodにつなぐという、かなりヘンタイ的な聴き方をしていた。

もちろん、後面開放型である以上、外では聴けない。

私にとって、このヘッドフォンでiPodのロスレスファイルを聴くのは、永らく、最高のオーディオ環境と自負していた。

現在の、ハイレゾ対応USB外付けDACインターフェイスのヘッドフォン端子を通して聴く形でも、その未だに衰えない実力は発揮されるていると思う。

輸入元のサウンドハウスは、オーディオショップというよりスタジオ機器取り扱いの会社であるから、このようなヘッドフォンがあることは、ヘッドフォンマニアの間でも知らない人が多いのではなかろうか。

以上、有益な情報提供となれば、幸いです。

【追伸】:Amazonでこの製品を扱っていることに気づきましたが、値段が何と¥161,036でした。あまりに暴利ですので、抗議しておきました。絶対サウンドハウスで買ってください。

Amazonに恐らくこの機種の流れを汲む別の計番の製品を発見しました。音質はどうなのかわかりませんが、細かい部品の構造が非常に似ています。

Gradoの最高級機までいくと、ここまで値段が張ります。どういう音の世界なのか想像もつきませんが。


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