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バンコクで大規模な反政府デモ。前例のない「王室批判」について


最近タイ、バンコクで反政府デモが多発しております。
外務省のホームページでも注意喚起されておりますが、お気をつけてお過ごしください。

さて冒頭のデモについてですが。

「大好きなのは納税者の血税」と政府を歌いながらなじったり、
(これは日本を代表するアニメ、とっとこハム太郎のオープニング曲にある「大好きなのはヒマワリのタネ」という歌詞の替え歌)

「3本指」を立ててマラソンしたり、
(映画ハンガーゲームで用いられた独裁支配からの自由を示すシンボル)

何週間にもわたり学生らが政府だけでなく、今までタブーとされていた「国王批判」まで行っている異常事態です。
ネットの情報をもとに色々まとめてみました。

<デモの発端>
昨年末、若者から支持を集めていた政党リーダーの議員をはく奪したことが発端だそう。
⇒これまでの傾向からも軍に有利になるような判決が出せることが多いようです。


<デモ参加者の要求内容>
タイ学生連盟の10項目要求は下記となっています。

①国王批判を許さない2017年憲法第6条を廃止し、国会内に国王の行動を監視する委員会を設ける条項を新たに加えること。
② 刑法112条「不敬罪」を廃止し、国民が王室に対して自由に発言できるようにすること。
③2018年に制定された王室管財局法を廃止し、国王個人の資産と財務省が管理する資産を明確にすること。
④政府が配分している王室関係予算を削減すること。
⑤王室直轄組織を再編すること。例えば、王室直轄の「王室警備司令部」は他の政府機関と統合したり、国王の諮問機関である枢密院は解散すること。
⑥王室資産の透明化のため、王室が組織・個人から寄付を受けることは禁止すること。
⑦国民の意見を覆す国王特権を廃止すること。
⑧王室を一方的に崇拝させる教育、行動を止めること。
⑨王室を批判して殺害された活動家について、事実関係を調べること。
⑩国王は今後、一切のクーデターを事後承認しないこと。


大まかに、
・王室の政治関与をやめさせたい
・王室の体制を見直したい
・プラユット政権は退陣してほしい
・新憲法を策定してほしい

といったところでしょうか、、、?


コロナ渦で生活が苦しい国民が大勢いる中、税金で愛人とドイツ旅行なんて言ったら批判を食らわない方がおかしいと思いますが、
不敬罪が厳しいタイで国民が公に王室改革を求めたことは、過去何十年にもわたって前例がありません。

一方、王室を大切な存在と考えている国民が多いことも事実。
今後この王室保守派と反政府派(反王室派となるのでしょうか?)が衝突する恐れがあるかもしれませんね。

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