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男らしさ 女らしさ

小さい頃に、親から「女の子らしくしなさい」と押しつけられた反動なのか、私は女らしさを求められるのが苦手だ。

女だからってボタン付けが得意なわけじゃないし、料理が得意なわけじゃない。

部活のマネージャーに向いてるわけじゃないし、ピンクが好きなわけじゃない。

実際に、就職して運動部のマネージャーに誘われたが断った。

「大人なんだから、自分の飲むドリンクくらい自分で作れ」と心の中では思ってた。


こんな奴なので、男の人からのウケは悪かったと思う。可愛げがないし、顔も可愛くないのでね。

極少数の男性ではあるが、気に入られた経験もゼロではない(ちょっと見栄張りたい)

でも何故か「家庭的な人っていいよね。君はまさにそんな感じだ」とか「俺は結婚したら、奥さんに綺麗なドレスを着てもらいたい」とか、よくわからない自論を語られた。

着たいドレスは奥さんが選ぶものであって。

そもそもドレスを着るかどうかも、奥さんとなる人が決めるもんだろ。と、毒づく。


そんな中、フッと現れたのが、夫だ。

夫はかなりの方向音痴。パソコンも満足に触れた経験がなく「消し方がわからないから、つけられない」と電源のオンオフもわからない。

出会ったときは「男のくせに、地図がわからないのか…」と思った瞬間があった。

途端、反省した。

それ、私が一番、押し付けられたくない価値観だったのに。いけない、いけない。自分が嫌だったはずの価値観を、自分も相手に押し付けてしまっていた。

親からの影響は絶大である。


当時の夫は、よくわからない自論を語らなかったし、私に女性役割を押しつけてもこなかった。

だから自然と、私も夫に男役割を押し付けることは少なくなっていった。


はたから見たら、夫は頼りなく見えるかもしれない。

「俺に任せとけ」とリードする、いわゆる男らしさがないから。


妻の私は、はたから見なくても、世間一般の良き妻には当てはまらない。

相手を立てようとする、いわゆる女らしさがないから。



もし、もっと女らしく、妻らしく振る舞えよ なんて男性陣から言われたら、答えは「くそくらえ!」と返す。

自分らしさ ではない 〇〇らしさを演じるのは、私にとっては自分に嘘をつくことだ。

そもそも、十人十色という素敵な四字熟語があるのに、生物学上の2種類に当てはめようとするのは、不自然だ。



男でも化粧をしたっていい

女でもムキムキになっていい

令和の時代は、性役割に苦しむ人が減っていくといいなと思う。