本日の野菜炒め 3.【雑記】
必ず結婚しなきゃいけないのが、このゲームの欠点だ…
家を買うのに5万ドルか...安いな... ―桑野信介
アマプラで『結婚できない男』を久しぶりに観たら、桑野さん(主人公)が一人で人生ゲームを遊ぶシーンが出てきて、ふと思い出した。
(この間の酔いどれ記事に関連があるわけではない。はず)
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宮城の祖父母宅には、母親たちのお古の人生ゲームがあった。
帰省するたびに、押し入れから出しては周りを巻き込んで飽きるまで遊び、そのまま散らかして帰っていた覚えがある。いつだったか、祖父に『お前は台風みたいなやつだな』とぼやかれたこともあったが、おおむねその通りだったのだろう。
他のご多分に漏れず、なんとなく人柄が滲み出るゲームだと思う。
子供だった自分は、夢見るままに"ルーレット×5000が給料"みたいな博打性の高い職業に就くし、買う家も(収入に見合わず)どんどんグレードアップさせる。挙げ句『金が増えるん!?』と勝ったときの数字に目を眩ませ、ギャンブルイベントに全額突っ込んだりして、最終的に借金地獄に陥って開拓地で延々ルーレットを回し続ける。(今はもう少しマシな立ち回りをするとは思うけど)
堅実派な祖母は警察官とかに就いて、イベントもそつなくこなし、なんやかんや上位でゴールする。
祖父は順調に出世を重ねていくけど、ギャンブル好きでそれに躊躇なく財産を突っ込むので、結果的に取れる勝ちを取りこぼす。
そして、もとより超負けず嫌いな叔母は、ゲームに加わりもせず『アタシは銀行』と主張し続け、裏方に徹する。
最後に遊んだのがいつだったか思い出すのも難しいくらい昔なはずなのに、なんとなくあの盤面が印象に残っている。はじめましての人と一緒にやってみると面白いのかもしれない。
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かたや、どこで聞いたか、『人生はセーブできないRPG』というフレーズが耳に残っている。
直面する出来事や困難、ときには失敗なんかから経験値を得て強くなっていく。だけどセーブポイントよろしく緑のサークルに踏み入れて『えいっ』とやれば簡単に戻れるなんて仕組みはない。
初めて見たときは、『誰がうまいこと言えと』なんて思っていた。だが、それなりに失敗や後悔が蓄積された年齢になってくると、あぁ、あのときセーブしそびれたな、できたらいいのにな、なんて思うこともしばしば。
『もしあの時向こう側を選んでいたら』と思うこともたくさんあるけど、『どのみちここに落ち着いていたんだろうな』と妙に悟ることもある。
そんなふうに、生きてるうちは複数の相反するモノに挟まれ続けるんだろう。この選択も"ゲーム"だと思えばなんとなく心が軽くなるような。そう思うと、あながち至言なような気がしてきた。
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こういうのも全部ひっくるめてここ数年を振り返ると、小さい頃から漠然と感じていた『なぜ』や『どうして』に対する答えを、回収するステージに差し掛かったような気がする。少しずつではあるけれど。言うなれば、隠された攻略本が見つかったような。
人生ゲームの進め方が実際のそれに裏打ちされていること。どう生きても後悔は重なるものだけど、振る舞いによって幾らか軽くなること。"あたりまえ"だったあれこれが、突然姿を消すこと。人間は思ったよりも狡猾で、優しさが仇になるほうが多いということ。
ただ、総べて知り尽くすには、人生はあまりにも短過ぎるじゃないかと思う。
それでは、今日はこの辺で。
【本日の野菜炒め】
ウチの家族には、普段の味付けに"焼肉のタレ"を使うことを頑なに拒む勢力が存在するのだけれど、僕にはその理由がさっぱりわからない。
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