見出し画像

本の紹介 上野誠「おもしろ古典教室」

上野誠「ちくまプリマ―新書033 おもしろ古典教室」(2006)筑摩書房


上野誠(うえのまこと)さんは、奈良大学の教授で、万葉集研究で知られている方です。メディアにもたびたび出演する、親しみやすくわかりやすい解説で人気の研究者です。

この本は、その上野さんの自伝的なお話とともに、身近な話題から古典の世界に入っていきます。

まるで上野さんの講義を聴いているような、軽快で親しみのあり、余談も多く含まれる豊かな本になっています。

それもそのはず。この本は、高校生たちに向けて出張講義をしたものがベースになっているそうです。まさに、限られた時間で、高校生たちに古典に親しんでもらうにぴったりのトピックスにあふれています。


構成は次のようになっています。

第一章 古典を読むと立派な人になれるというのは間違いだと思います
第二章 こんな生き方したいと思ったとき
第三章 読むとこんなことがわかる、なんの役にも立たないけど
第四章 人は遊びのなかに学び、時に自らの愚かさを知る

まさに、上野さんのメッセージがつまったタイトルですね。とても本質的なことが込められていると思います。


なんとなく古典という世界に興味があるものの、その世界にハードルを感じている方に、まず読んでいただきたい本のひとつです。


執筆者:古原大樹/1984年山形県生まれ。山形大学教育学部、東京福祉大学心理学部を卒業。高校で国語教師を13年間務めた後、不登校専門塾や通信制高校、日本語学校、少年院などで働く。2024年に株式会社智秀館を設立。智秀館塾塾長。吉村ジョナサンの名前で作家・マルチアーティストとして文筆や表現活動を行う。古典を学ぶPodcast「吉村ジョナサンの高校古典講義」を公開中。学習書に『50分で読める高校古典文法』『10分で読める高校古典文法』『指導者のための小論文の教え方』がある。

【サービス詳細・お問い合わせ】

ぜひ公式LINEへの登録もお願いします!

気軽にご相談くださいね!



いいなと思ったら応援しよう!