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FundingRate:ポジション構築研究

Chisikiです、今回は仮想通貨の話でヘッジポジションを構築しFundingRate利益を得る方法に関しての別提案になります。少々長いですが気楽に読んでください。


FundingRateとは

そもそもFundingRate(以降FR)とは無期限先物取引において現物価格との乖離を修正する為に1日3回ポジションに対し発生する手数料です。(資金調達率)

FRがプラス時はロングポジション側がショートポジション側に対し手数料を払い、逆にFRマイナスの場合はショートポジション側がロングポジション側に払います。

~FundingRate(+)~
ロングポジション→ショートポジション

~FundingRate(̠−)~
ショートポジション→ロングポジション

計算式は複雑ですが簡単に言語化すると現物価格より先物価格が高い場合はFRがプラスになります。

つまり手数料を支払ってでもロングポジションを持ちたい人が大勢いる場合は更に手数料が上がっていきますが、次第に手数料を払うのが痛手になりロングポジションを手仕舞いする人が増えることで価格が下がり現物価格に近付かせることが出来ます。

逆に現物価格より先物価格が低い場合はFRがマイナスになりショートポジションの手仕舞い及びロングポジションの増加を促す為、結果的に価格を上げ同じく現物価格に近付かせることになります。

取引所によって計算式が多少変わりますがFRの基本の値(デフォルト)は0.01%です。FRに関する更なる詳細は下記リンクから


デルタニュートラルヘッジ

簡単に言えば損益が変わらない=利益も出ず損失も出ない状態のポジションを構築することです。

巷で有名なやり方からおさらいします

・現物を担保に同額分レバレッジ1倍ショート

例えば1BTC持っていた場合、1BTCを担保に1BTC分のショート注文を出します。BTCの価格が下がればショートポジションの利益が出ますが現物保持分の価値が下がるので±0、逆にBTCの価格が上がるとショートポジションはマイナスですが現物保持分の価値が上がりこの場合でも±0になります。

つまり

~価格上昇時~
現物担保 ↑ Sellポジション ↓ =±0

~価格下降時~
現物担保 ↓ Sellポジション ↑ =±0

これにより損益は変わらず、結果的にFRの収益だけ貰うことが出来るポジション構築がデルタニュートラルヘッジの概要になります。

次の項では既存のデルタニュートラルヘッジのリスクを考慮してみます。

デルタニュートラルヘッジのリスク

・カウンターパーティーリスク

これは限りなく考慮しなくてよいリスクですが、取引所が倒産すると損失が発生します。言ってしまえばどの投資・投機にもこのリスクは付きまといますが例えばコールドウォレットに保存又は複数の取引所に分散させたり、実績が低いマイナーな取引所よりメジャーな取引所を使うなどで対策ができます。

・仮想通貨低迷期

市場に活気があり、手数料(FundingRate)を支払ってもロングしたい人達が多い場合はデルタヘッジで手数料収益を得ることができますが、いくらデフォルトが0.01%(貰える状態)でも仮想通貨低迷期時にはFRがマイナス

つまり、逆にショートポジション側がロングポジションに払わなければいけない状態が出来てしまいます。この状態が長く続いてしまう場合、FR収益が得られないのでデルタヘッジを解除しFundingRateがプラスの通貨に変更するかUSDTなどのステーブルコインなどに退避する必要があります。

ちなみに通貨価格暴落時が一番FR値のマイナスが高い傾向があり、その後またデフォルトの0.01%に収束していきます。


デルタヘッジニュートラルのメリット・デメリット

簡単に箇条書きでまとめます。

~メリット~
・限りなく低いリスクで収益が得られる(年利10%前後)
・基本的に通貨価値の変動により損益が変わることはない
・一度ポジション構築すれば後は楽
・固定ステーキングと違い、いつでも辞められる

~デメリット~
・少額運用の場合あまり期待するリターンが得られない
・運用直後にFRがマイナスになるとドローダウンに耐えるか、通貨変更の必要性があり手数料負担が大きい

次項では下落対策や更に高金利を狙った案を模索します。


※下記から別案の紹介になりますが新しく執筆した記事の方が個人的にはおすすめなので、もしよければそちらをご覧ください。


FundingRate別案

本題になりますが少額運用及び積み立てを想定しているので、ある程度まとまった資金を運用するのであれば既存のデルタヘッジが良いかと思います。

・使用取引所Binance

ステーキングウォレットとの互換性が良いのとFRの統計が取りやすいのでBinanceを前提に進めていきますが、現物を担保に無期限先物取引ができるのであればどの取引所でも大丈夫です。


・通貨選び

Binance公式サイトでリアルタイムのFR及び過去のFR履歴をCSVで確認できるので平均的にFR値が高い通貨を選びます。

BinanceリアルタイムFR

既存のデルタヘッジでは開始直後にFRがマイナスになった場合ドローダウンに耐えるか通貨を変更する必要がありますが、下記のポジション構築であればその対策ができるので容赦なく高FR値通貨を狙っていっても大丈夫です。


・ポジション構築

所持通貨の55%を使用しレバレッジ2倍でショート、これにより完全な1:1のデルタヘッジではなく1:1.1ショート割合が若干多いポジション構築になります。

残り45%分はステーキングウォレットにてフレキシブルロック(いつでも解除可能)で増やします。そうすることでFR収益+下落時ショート利益+フレキシブルロックの収益を得ることができます。

開始直後にFRがマイナス(価格下落)した際、ショート利益のお陰でドローダウンや通貨変更手数料の心配はしなくてよいですがポジション構築後の作業は既存の方法より忙しくなります。


・ポジション構築後の作業

45%分はステーキングウォレットに入っていますがショートポジションが含み損によりロスカットされそうな場合には、随時先物ウォレットに戻してあげる必要があります。逐一確認するのが嫌であれば多めに戻せば安心ですがフレキシブルロックの収益が落ちるので自身の確認できる頻度と照らし合わせながら行う必要があります。


別案のリスク及びメリット・デメリット

・リスク

開始後に価格が上昇した際、完全なデルタヘッジではないので損失が発生します。しかしその場合のFRはプラスなので段々とその差は埋まっていきますが開始時の下落リスクを対策している分、損失期間が生まれてしまいます。

またロスカットの価格は45%分全て戻したと仮定すると開始時の10倍前後になり上場したての通貨などではロスカットの心配がありますが、FR収益は勿論のこと積み立てをしているのであれば、かなりリスクを抑えられると思います。

・メリット

上記リスクがある分、通常のデルタヘッジニュートラルより高金利が狙えます。また高FRの通貨は下落リスクがあるので参入しにくいですが、このポジション構築であれば下落の対策は万全な為どのタイミングであっても参入しやすいです。

・デメリット

単純に作業量が増えるので余裕がないと大変です。私自身、毎日通貨価格及びFR値の確認をする作業が好きなので苦ではありませんが既存のデルタヘッジのメリットである基本放置で大丈夫というのを捨てているのでその点がデメリットになり得ると思います。

・結論

上記作業ができる余裕があり、既存のデルタヘッジより少しリスクを取って高金利を狙いたい人は向いていると思います。

かなり一長一短な別案ですが、所持通貨の50%を使用しレバレッジ2倍ショートすれば下落対策ができない代わりにデルタヘッジニュートラルになるので上記別案だとリスク取りすぎだなと思う人はこの方法でFR収益+フレキシブルロック収益を得るといった事も可能です。


さいごに

後日このデルタヘッジニュートラル・別案・レバレッジ2倍デルタヘッジニュートラルの具体的なやり方を可能な限り分かりやすく解説した記事を有料公開しようかなと考えています。

もう既に取引所や仮想通貨自体に慣れ親しんでいる人であれば上記説明でも解るかと思いますが(解らなかったら申し訳ないです)具体的にどの手順を踏めば良いかなど取引所に入金が終わった段階以降から解説予定です。

筆者はFXの記事も書いてるのでもしよければこちらもご覧ください

https://note.com/chisiki/n/nfa5475780c49

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