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Goldfrapp2010-2023年(感想)_シンセポップからチル・アウトまで
Goldfrappは、Will GregoryとAlison Goldfrappによる1999年結成のデュオ。以下に2010年以降にリリースされたアルバム/シングルについての感想などを。
2008年までのリリースについての感想はこちら。
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Rocket (2010年)
5thアルバムからのリードシングル。UKシングルチャート47位。
80sテイストのキャッチーなシンセポップ。Alisonのヴォーカルに透明感があって全体的にキラキラして眩しい。
過去作と比較してチャートアクションに陰りが見えてきたが曲のクオリティは高い。この高揚感はVan Halenの「Jump」に近い。
リミックスでは忠実にオリジナルを踏襲した「Rocket (Grum Remix)」がリスニングに向いていると思うけど、踊るならヴォーカルパートを控えめにした「Rocket (Tiësto Remix)」の方が向いている。
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Head First (2010年)
5枚目のアルバムはUKアルバムチャート6位。
多幸感のあるシンセサウンドが縦横無尽に鳴り響くには過去のどの作品とも異なる。
各曲のクオリティたは高くて80年代を彷彿とさせるE.L.OやErasureのように分かりやすいポップスは取っつきやすくはあるしシングルカットに向いていると思う。
しかしGoldfrappに対して退廃的だったり、内省的な暗さを求めてきたファンからすると受け容れづらさもあって、評価しづらいアルバムで戸惑いもある。
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Alive (2010年)
5thアルバムからの2ndシングル。
透明感のあるシンセサウンドとキャッチーなメロディーのため耳馴染みは良い。NMEでは『Xanadu』の頃のE.L.Oと形容している人がいたらしいけどまさしくそれ。
E.L.O自体は好きなんだけど、下世話で変態的なサウンドでグイグイくるGoldfrappが好きだった私としてはこういうストレートなポップ・ソングは少し残念ではある。
リミックスでは、ヴォーカルパートを抜いてシンセのアルペジオがいかにも80sで、ベースの音程を上げ下げしているせいか気持ちの悪さを感じる「Alive (Joakim NRG Dub)」がまぁ好き。
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Believer (2010年)
5thアルバムからの3rdシングル。
80s回帰ということで、B面にはなんとErasureのVince Clarkeがリミックスしている「Believer (Vince Clarke Remix)」が収録。
キックやシンベなど耳あたりの良い音色は流石で、オリジナルよりも格好いいと思うけど、踊るにはテンポが少し速いと思うのが残念。
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Melancholy Sky (2012年)
シングル曲を集めた編集盤のリリースに合わせて発売されたアルバム未収録曲。
滑らかなストリングスが特徴的な穏やかな曲。
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The Singles (2012年)
旬を過ぎつつあるのでここらでいっちょ編集盤でも。というレーベル側の意図を感じるタイミングのシングル集。UKアルバムチャート33位。
「Melancholy Sky」と「Yellow Halo」の2曲が追加収録曲。
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Drew (2013年)
アルバムの発売に先駆けて発表された曲。
穏やかなバラード曲。ピアノが生音っぽいのが珍しいのと、暗さの中にほんのり光明が見えるような感じがいかにも。
こみ上げてくるような美しさのある素敵な曲。
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Tales Of Us (2013年)
カバーデザインの通り、陰鬱とした雰囲気の曲が多い6枚目のアルバムはUKアルバムチャート4位。
全体的な印象的には1stアルバムの頃に近く、アコギの音に寂寥感があって心地よい。チル・アウトする目的で聴くと質が高くてかなり愛聴している1枚。
場所を特定できない背景で、表情すら分からないモノクロ写真による一連のヴィジュアルも楽曲の雰囲気に合っていて良かった。
ライブ曲などを追加収録したDeluxe Edtionもリリースされたが、こちらは目新しさは無くてファンのためのコレクターズアイテムといった感じ。
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Thea (2014年)
6thアルバムからの公式シングルとのこと。
雨が降る窓を見つめて、背中だけを見せるカバーデザインの通り暗い。
ハウスビートにリミックスした「Thea (WAWA Hungry Moon Remix)」も良いけど、チルアウトできる「Thea (Blood Diamonds Remix)」が好き。
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Anymore (Remixes) (2017年)
7枚目のアルバムからのリードシングル。
ハード目なエレクトロとなっており、ポップな印象が薄れた。
リミックスでは、アシッドなベース音の主張する「Anymore (Whatever/Whatever Remix by Justin Strauss & Bryan Mette)」が少し気になるけど、リミックスも全盛期の頃のようなクオリティでは無いと思われる。
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Silver Eye (2017年)
7thアルバム。UKアルバムチャート6位。
2ndや3rdアルバムあたりに近いエレクトロなダンス・ミュージック路線。
これまでよりもヴォーカルが加工されているせいか、全体的にデジタルな印象が強い。
ポップで聴きやすい曲もあって全体的にクオリティが高いのは確か。ただし、暗いのと少し難解なのもあって全盛期のような勢いは感じられないというのが正直なところ。
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Systemagic (Remixes) (2019年)
加工されたヴォーカルと電子音が折り重なった「Systemagic (Hannah Holland Remix)」がポップで聴きやすいと思うけど、個人的な好みからすると音が重なりすぎて少しうるさい。
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The Love Invention (2023年)/Alison Goldfrapp
久しぶりのリリースは、Alisonによるソロ作品で『Head First』の雰囲気を少しシリアスにしたようなシンセ・ポップ。
ディスコを彷彿とさせるキラキラした「NeverStop」などポップな曲があって聴きやすくはあるのだけど、想像の範囲内という印象。
ブランクがあったせいで期待値が高すぎたのかもしれないが、Will Gregoryと共に創り上げていた魔法が解けてしまったようで、少し残念でもある。
ざっとこれまでの活動を振り返ってみるとオリジナルも当然好きなんだけど、質の高いリミックスが多い。
特にEwan PearsonやTiefschwarzによるリミックスが良かったのでもっと色んな曲のリミックスを聴いてみたかったというのが本当のところ。
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