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美術展の感想

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2023年7月の記事一覧

甲斐荘楠音の全貌展(感想)_着飾った女の美しさと得体のしれない恐怖

東京ステーションギャラリーにて2023年7月1日から開催されていた『甲斐荘楠音(かいのしょうただおと)の全貌』展へ行ってきたので、いくつか心に残った作品についての感想などを。 横櫛(1916年頃)愛する男のために強請りや殺しに手を染める「切られお富」がモデルになり、物語の結末はその愛する男の与三郎というのが小さい頃に生き別れた兄弟だったと知って自害するという悲劇で、業の深さが半端ない。 顔の輪郭が丸っこいせいか少し童顔の印象。しかし女性の背景を知った上で見直すと笑い方が不