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漫画の感想

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#ヤマシタトモコ

違国日記(漫画感想:3)_リスクを取って、傷つきながら得たもの

「違国日記」は祥伝社から発売されている「FEEL YOUNG」で、2017年7月号から2023年7月号まで連載行さていれた漫画で、作者はヤマシタトモコ。 読み始めた当初はそんなに惹かれなかったのだが、最後まで読み終えてさらに何度か読み返すうちにジワジワとくる。 これまでの感想はこちら。 以下、ネタバレを含む感想などを。 将来について考えることの必要性朝は高校生活に慣れてくると、徐々に「自分には何もない」ことに悩むようになる。そもそも性格的に主体性が無かったのもあるが、両親が

違国日記(漫画感想:2)_他人に過度の期待をしない

「違国日記」は祥伝社から発売されている「FEEL YOUNG」にて、2017年7月号から2023年7月号まで連載されていた漫画で、作者はヤマシタトモコ。 コミュ障で言葉のキツい女と、「自分には何もない」と悩む女子高生の二人を中心にした物語。 このテキストは3回に分けた感想の2つ目で、これまでの感想はこちら。 以下、ネタバレを含む感想などを。 個人の感情を大事にする人同士が完全には理解し合えないことをもう少し掘り下げてみると、根底には槙生が朝に対して繰り返して言う『自分の感情

違国日記(漫画感想:1)_個人の自由を大切にすること

「違国日記」は祥伝社から発売されている「FEEL YOUNG」にて、2017年7月号から2023年7月号まで連載されていた漫画で、作者はヤマシタトモコ。 キレイ過ぎる見た目の人間の絵がなんとなく苦手で敬遠してきたのだけど、読み始めたら止まらなかった。こだわりを感じる言葉遣いに心を揺さぶられる。 以下、ネタバレを含む感想などを。 こだわりを感じる言葉物語は少女向け小説の作家、高代槇生(35歳)が交通事故によって両親を亡くした姪の田汲朝(15歳)を引き取ってからの同居生活がメイ