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8월의 이별(8月の別れ)

041 8월의 이별
国を渡るのが不慣れな私は
かつて、まちを出るのが不慣れであった頃のように
今しばらく別れの悲しみを味わっている
 
私たちの時代は別れを経験させてはくれない
「いいね」
会おうとすれば会える不確かな可能性だけを残して
 
一緒に川を眺め、空を見上げた記憶は
別れに名を与え
私はその情趣を享受する
 
 
君へ
 
私は今、8月の名には相応しくない、別れの季節を生きています。君に書く手紙も久しぶりだ。8月のほとんどを海外で過ごした。数週間で現地の友人ができ、素敵な時間を過ごした。帰国するなり、留学生が本国へ帰るのを見送った。好きな本が終わりを迎えようとしているのを実感するように、刻々と迫る別れの時期をひしひしと感じた。
彼女を置いて、私は去り
私を置いて、彼は去った。
 
私たちの時代は、SNSが発達しているために、別れを実感しにくくなっているのではないだろうか。メッセージを送れば数秒で届き、声を聞くことができる。(君には、手紙を送るだけだが。)また会えそうな、曖昧で不確かな確信を抱いて、私たちは別れる。世界中のどこにいても、いつでも会える、という予感を感じさせている。本当に会えるかはわからないけれど。安心して別れる。
 
私たちは、別れることに慣れていないのかもしれない。別れることを悲しむのは、私たちにとって、大切な儀式なのだと思う。同じ時間を分け合ったことによって生まれた、別れの悲しみを味わえるのは幸せなことなのだと思う。
 
とはいえ、今はまだそんな冷静さを持ち合わせてはいない。ゆらめく海を心に抱えたまま、暮れるのが遅くなった日を惜しんで家に帰るだけだ。晩は冷えるようになり、冬を越えられるかが心配。この時期の物思いは少ししんどい。(君にだけ打ち明けておくと、このしんどさは、連日のビールとそれに伴う寝不足によるものを含む。)
 
ただ物語が終わった今は、素敵なエピローグを待つのみ。君にもまた会えるといい。
スマホが壊れて他の写真が出せない。取り急ぎご連絡まで。

09/01, 2023 金曜日

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