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Rock Novel「シンデレラ物語」クリスマスキャロル

「エミリー、メリークリスマス🎁」

「トム、メリークリスマス🎄」

「僕と君が結婚して初めてのクリスマスなのに君、悲しそうな顔してるね、どうしたんだい。
マリッジ ブルーとか?」

「違うの、クリスマスにちょっとした
思い出があってね、思い出してたとこなの。」

「僕たちの間に秘密は無しだよ、
今年結婚して絆も深まった訳だし、
話してくれる?」

「勿論よ、ハニー。子どもの頃
交通事故で亡くなった、従姉妹が居てね、
私のせいなのよ!」

「え!どう言う事?」

「1970年 丁度アポロ打ち上げで
月に行きたいなぁて子供心に思って
いたの。」

「ああ、1969年8月だったもんなぁ
月面着陸 テレビで俺も釘付けだったよ。」

「それでね、クリスマスにその従姉妹の
キャロルとサンタさんに手紙書いたのね。
『お月様に連れて行って下さい。』って
私が書いたら、彼女も真似して同じこと
をお願いして、それとデズニーの腕時計
が欲しいともお願いしてたわ。」

「そうなんだ〜 バービー人形じゃなくて
お月様ってところが、君らしいね!」

「私ちょっと変わった女の子だったからね。
それでクリスマスの次の日、キャロルが自転車でお使いの途中にダンプカーに轢かれちゃって
死んじゃったの。」

「そりゃ、かわいそいになー。」

「それで家族がそのサンタさんへの
手紙を見つけて、『キャロルはサンタさんと
お月様にいちゃったのね。』って言う
話になって、彼女のお母さんはPTAの
会報にその事書いたりして、もう私が
そんな手紙書かなきゃキャロル死なな
かったのに〜って自分を責めたわ。」

「なりほどね〜」

「で、私達は赤いミッキーマウスの腕時計をキャロルの棺に入れてあげたの。」

「そっか〜腕時計して、旅立ったんだね。
月にon timeだ!」

「もートム、冗談じゃないんだから〜」

「ゴメン!」

「お正月に皆んなでディズニーランド
行った時はもっと辛かった、キャロルの
お母さんにも『あの手紙書いたのキャロル
のアイデアよね?』って聞かれた時に
本当のこと言えなかった。私が身代わりに
なればよかったのに。」

「そっか、辛かったね。」

「それで、ディズニーランドのトイレで
手首カミソリで切ろうとしたんだけど
出来なくて、お店にあった
クマのプーさん🧸の鼻削り落として
帰って来ちゃった。」

「え〜プーさんが犠牲に〜ハハハ〜災難なクマだ!でもエミリーが手切らないでよかった〜。」

「それで、私だけこんなに幸せで
いいのかなぁって今朝は思ってたんだ。」

「そう言うことか。」

「それに子どもの頃キャロルの事私、
嫉妬してたんだ、私の両親は離婚して
うちはシングルマザーで貧しかったけど
キャロルんちは、両親は仲良くて
裕福でバービードール ハウスの
大きいのも持っててね。羨ましかった。」

「エミリーもやっぱバービー人形欲しかったん
だね。じゃ、これから買いに行こうや!」

「今から?」

「それよか、LAのディズニーランドの方がいい?
ミッキーマウスの腕時計買いにいく?」

「ううん、あなたとフロリダのディズニーワールドのシンデレラ城行きたいわ!」

「そうそう、今度ね、うちらシンデレラブランドの洋服のラインが出るんだよ。日本や
ヨーロッパのデパートで売るんだよ。」

「そうなの?」

「ああ、だからエミリーにもさ、
シンデレラのジュエリーのデザイン
してもらいたいんだ。折角、デザイン学校
ニューヨークで卒業したんだし!」

「ええ、やらせて貰うわ!
トムありがとう😭」

「だからもう泣かないで、キャロルの
分まで生きて、デザイン頑張らなきゃ!」

「うん、そうね。頼もしい旦那様も
居ることだし、クリスマスプレゼントにじゃ、
ベイビー👶ちょうだい!」

「あははははー、そればっかりは
サンタさんでも無理かもね!
神様からの授かりものだもの。」

「きっと、シンデレラのカボチャ🎃畑に
赤ちゃんいるかも?」


「それって、キャベツ畑で赤ちゃん、
じゃなかたっけ?」

「そうだった、キャベツ人形だわ。」

「じゃ、キャベツ人形買いに行こうや!」

(大笑い)

The End 
1987年 クリスマス🎄

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