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ロックノベル「シンデレラ物語」夢のあと

『将来はフィラデルフィアのスペクトラム
と言うアリーナの舞台に立つのが夢なんだ!』って高校のアルバムにトムは書いていたよね?」

「ああ、」

「それで夢が叶った訳だけど、その後は?」

「言いにくいんだけど、夢が叶った後からが
勝負だって、誰も教えてくれないのが
人生なんだよね。」

「と、言うと?」

「うーん、そうねぇ。なんと言えばいいん
だろうね。例えが変に聞こえるかも
知れないけどさ、夢見てた好きな女の子と
やっと寝れたとするじゃない、
それで想像してた通りの、いい感じでさ、
それから100回も200回も同じ感じで
毎回いい感じなんだけど、それだけ
って感じなんだよ。」

「コンサートが?」

「ああ、そんな感じでシンデレラで
デビューした
1986年から1991年の5年間は毎晩の
ようにステージ立ってたね。
いつもいい感じで10代の時に夢見てた
通りのステージが出来たんだよ。
でもそれだけかな?
君に分かって貰えるかなこの感じ?」

「うん、何となくだけどね。
トム君はさ高校の同級生の時は
大人しくて全然目立たなかったから」

「俺はほとんど学校行ってなかった
からね。」

「僕が卒業アルバムの実行委員でさ、
トムの写真撮った時は、
でもコイツは本気なんだなぁとは
思ったよ。そんな気配はレンズ覗いた
時には感じたんだよ。」

「そうなんだ。君が小説家になったのには
驚いたよ❗️そんな感じ微塵もしてなかった
じゃないか?」

「うん、僕も驚いてるよ❗️
本を読むのは好きだったけど、
本を描くなんて夢にも思って無かったよ。」

「今度はどんな物語を書くんだい?」

「今、書いてるのは実はロックバンドの
ミステリー小説なんだよね。」

「へー!面白ろそうだね。
ちょっと詳しく教えてくれないかい?」

「バンドのギター🎸リストが
アルコール中毒である日突然死ん
でしまうんだけど、実は他殺だったって
お話しにしようかなって思ってるんだ。」

「あ、で、殺したのが実は同じバンドの
奴なんでしょ?」

「何で分かるの?」

「ま、俺もそんな気持ちになった時ある
からね!」

「え?! どう言う事だい?
アルコール中毒で死ぬ方?
それともそいつをやっちまう方かい?」

「それは内緒だな。あいにく今の所は
シンデレラは死人は出てないしな。」

「おいおい、トム物騒な話はよしてくれよ!
今は1990年代で、70年代じゃ
ないんだからね。ローリング ストーンズの
ブライアン ジョーンズも他殺説があるけど?」

「ハハハ〜冗談だよ。それに俺ミック
ジャガーほど策士じゃないしさ。」

「ハハハ😆だよね!
でもブライアン ジョーンズって
可哀想だったね。」

「切ないんだ、ブライアンのギター🎸と
シタールの音がさ。」

「トムはブライアンの分まで長く
生きて弾いて歌ってくれよ。」

「ああ。酒もタバコもそろそろ辞めるよ。」

「それはいいね!」

「やめれないのは、フィラデルフィアの
スィートケーキだなぁ。」

「おいおい、トム、太ったロックスターは
やめてくれよ!」

「だよなぁ〜」

(大笑い)

The End

1996年 フィラデルフィア
スプリングフィールド高校の
同窓会にて

トム キーファー 35歳(シンデレラ ボーカル)
ジミー ジョーンズ 35歳(小説家)



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