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みんな同じ色を見ていると思っていた

ガーデンデザインをするとき、寄せ植えをつくるときなど、花や葉の色をうまく組み合わせて、より美しく見えるように考えています。

2つ以上の色を組み合わせる「配色」をどう工夫するか、色がよりきれいに見えるよう「調和」したものを目指しています。



「配色」について、もっと知りたいと思い、色についての本を読んだところ、全く知らなかった事実を知りました。

それは、『みんがみんな、同じ色に見えているわけではない』ということ。
色の見え方には個人差や年齢差があったり、生まれつきや目の病気による「色弱(しきじゃく)」の方がいるということです。衝撃を受けました。

考えてみれば、視力も人によって違ったり、個人差があるのは当たり前なのに、「色の見え方」にも個人差があるということに今まで気づきませんでした。単なる好き嫌いの問題か、くらいに思っていました。


「色弱」は、人間が色を見分ける視細胞の「錐体(すいたい)」に変異があると、見分けにくい色が発生する状態をいいます。日本人の場合、男性の20人に1人、女性の500人に1人が「色弱」に該当するそうで、代表的なものに、「赤と緑」が似たように見えるタイプがあるそうです。

「年齢差」は、幼児では赤、青、黄のようなはっきり明るい色を認識しはじめ関心を持ち、10代では好みの個人差が強くなり、白や黒にも興味を持ちはじめます。明るさや鮮やかさの好みは年齢を重ねるとともに落ち着いてくる傾向にあり、高齢者は加齢により全体が黄みがかってみえたり、まぶしさを感じやすくなるため、落ち着いた色を好む傾向にあるとのことでした。


これまで私はお花好きの方とのコミュニケーションの中で、この色が好き!という個人差を見聞きしてきたのですが、それがまさか見えている世界が違うことからくるものだったとは…。


みんな同じ色を見ている、と思い込んでいた私の浅はかさを痛感させられたと同時に、これからのガーデンデザインに、色覚の多様性に配慮したカラーユニバーサルデザインという視点を取り入れてみようと感じた、「色」に関する気づきのお話でした。


参考文献
ingectar-e(インジェクターイー)著 
桜井 輝子 監修
「色のひみつがすべてわかる!すごすぎる色の図鑑」


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