見出し画像

二年で六段にはなれない将棋上達法

<追記>後編はこちら

誰にでも当てはまる、やってまず間違いないであろう勉強法をまとめてみる。
二年で消化できるかは人によりますが、しっかりこなせば24で初段くらいの実力がつくと思います。
将棋に使える時間が限られており、楽しみつつも上達の効率も求める方を想定しています。

前提

色々書きますが、嫌いなことはやらない方が良いです。
絶対にやった方が良いのは実戦と感想戦くらいなので、後は好きな勉強法を極めましょう。

詰将棋

短手数の詰将棋を反復して暗記するまで解きましょう。
ハンドブックシリーズ(3手~7手)、詰め筋事典の一巻がおすすめです。

詰将棋に関しては解き方や効果に関して色々言われますが、短手数の実戦形を反復し覚えてしまうことを否定する人類はいません。これを否定する人類を私は否定します。安心して繰り返して覚えましょう。

ハンドブックシリーズが肌に合わない場合、◯手詰将棋シリーズ(1~9)でも代用可です。こちらはより実践に近い駒配置で難易度が低いです。

詰めチャレ

詰めチャレは実戦で現れた詰みを30秒以内に解くゲームです。
非常に効果的に見えますが、答えがないという致命的な欠陥があるのでこの段階ではあまりおすすめしません。答えを調べるのに時間がかかってしまうので、少なくとも効率的ではないでしょう。
そうはいっても詰将棋が嫌いな方や全体図でないと気合いが入らないという方もいると思うので、そういう場合はSNS上で強い方に答えを教えてもらったりして補いましょう。

レーティングで自分の実力が示されるため、本腰を入れて取り組むというよりはペースメーカーとして利用するのが良いでしょう。24初段には、大体最高R2100点くらいが必要かと思います。当てずっぽうで、特に根拠はありません。

ちなみに、将棋ウ◯ーズに似たようなサービスがありますが、あれは役に立ちません。

必至

効果の高い勉強法ですが、難しいので5手詰めハンドブックを一冊は潰してから取り組んだ方が良いと思います。

非常に解説の詳しい必至本です。一冊目はこれをおすすめします。
応用編もありますが、難しいので強くなってから。

金子本は鉄板です。他にも良書はありますが、難しいものが多く、初段にはここまで消化すれば十分でしょう。

凌ぎ(逃れ)

凌ぎ(逃れ)は非常に難しい分野ですし、自玉が追われているのでストレスに感じる方も多いでしょうからおすすめはしません。
しかし、世界は広くマゾヒスティックなことに強い関心を抱き実力以上の読みを発揮する人もいるでしょうから、一応おすすめをあげておきます。

逃れ将棋です。詰将棋の逆です。難易度が3、1、2の順番で優しいので3から解きましょう。

終盤の次の一手

終盤の次の一手には、詰み、必至、逃れ、詰めろ逃れの詰めろ、終盤特有の手筋等、全てが詰まっています。

正直、これだけやり込めば問題はありませんが、難易度が高い、(問題作成が難しく)失題が結構ある等の欠点もあります。

ただし、世の中は広く全体図でないと脳が稼働してくれないという方もいらっしゃるでしょうから、一応おすすめをあげておきます。

最初の初歩クラスとかでも結構難しいので覚悟が必要です。(元は棋力認定の三択問題。そこから選択肢を消しているので難しい)
ヒントで答えを覚えてしまうと効果半減なので、マッキーで消すのをおすすめします。

羽生の終盤術

本の題名をカテゴリーにするのはどういうことだと思われるかもしれませんが、類書が全くなく、絶大な効果を発揮すること間違いなしなので設けました。

三巻が最も簡単(といっても難しい)なのでこれだけ繰り返しましょう。
内容は、有利な局面から平凡な手を積み重ねて勝利に繋げていく次の一手問題集です。
これを読んで一気に覚醒する方も珍しくないので、絶対的におすすめです。難易度が高いので、7手詰めハンドブックを一冊潰してから読みましょう。

youtube

今の時代これを抜きに語ることは出来ません。

アマ高段者であれば別ですが、初段を目指すのに大切なのは大まかな方針やよく遭遇する序盤に対するそこそこの知識

好きなプロやアマ強豪を見つけて知識を吸収していきましょう。
一応、県代表クラス以上の方をおすすめしますが、強ければわかりやすいとも限りませんし、人によって性癖は千差万別戦争の種ですのであまり私からとやかく言うことはすべきではないかもしれません。

ただ、実際問題、悲しいことに明らかにソフトクリームを食べながら機械の言説を読み上げている可能性が非常に高いと思われる方がいるのも事実です。師事する人間を間違えると大怪我します。

個人の脳内から直接指し手を出力されており、かつ、勉強になるyoutuberを挙げておきます。

言わずと知れたプロyoutuber
様々な戦型を指されており、好きな戦法を見つけるのにも役立つでしょう。
動画数が圧倒的に多く、かつ、読み筋や方針をしっかりと話してくれますから、級位者にとって最良の教材と言っても過言ではありません。再生リストも丁寧に作ってくださっています。
ただし、サブチャンネルの問題動画はおすすめしません。一度見ただけでは覚えられませんから、本を購入して反復した方が効率的です。

県代表クラスの方です。
三間飛車党ならこの方で決まりです。研究動画充実、詰めチャレ研究、実戦動画豊富です。

県代表クラスの方です。
右四間ならこの方で間違いありません。

県代表クラスの方です。
四間飛車ならこの方をおすすめします。
ライブ配信が中心でかつVtuberで多少毛色が異なりますが、講座や質問コーナー等充実しています。

プロの棋譜並べ

これに関しては、思い切って言い切りますが必要ないです。
youtubeでプロやアマ強豪が指し手を言語化して方針や研究をわかりやすく説明してくれるわけですから、そちらを優先しましょう。

実戦

最も大切です。

まず戦法は決めましょう。あれやこれやと手を出すと必要な知識量が増えるばかりでうまくいきません。まだ戦法が決まっていない場合は、前述した将棋放浪記を見まくりましょう。様々な戦法が指されているのできっと自分に合ったものが見つかるはずです。

対局サイトは81道場か将棋倶楽部24をおすすめします。秒読み30秒以上でしっかり考えて、読みを蓄積させていくことが大切です。あれやこれやと考えるだけ力がついていきます。

81道場の欠点は強い人が少ないことですが、三~四段程度になれば初段相当ですので問題ありません。

感想戦

感想戦は大切です。理想としては毎局行いましょう。

難しいのが将棋ソフトの使い方ですが、自分が良く行う序盤の形は詳しく、中盤や終盤はあくまで自分の読みの方向を補助する程度に活用することが大切です。

具体的には指し手を3~4つ表示して、その中で自分に理解できる範囲でソフトの指し手を吸収していきます。

評価値は落ちていないが局面を難しくしてしまっているケースなどもありますので、あくまで自分本位で思考し、補助的に活用するのがおすすめです。肌に合わなければ使わない選択肢もなくはありませんが、すぐに欠点を指摘してくれる有用すぎるツールですので、出来るだけ活用したいところです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?