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二年で六段にはなれない将棋上達法②

いつか自分の考える最強の将棋上達法を書きたいと思っていましたが、最初の一歩を踏み出せずにいました。
背中を押してくれた某将棋女子さんには感謝してもしきれませんが商材は買いません。

前回の記事で24初段程度の地力をつけたことを想定。24五段に4~5年かけて目指す感じをイメージしています。

このレベルになると画一的な答えはありませんし、自論も増えてきます。つまりこの記事は壮大な自分語りであるため取り扱いには注意して熟読し洗脳されて下さい。今ならこの壺がなんと半額です。

前提

このレベルになると多少嫌いな事でも取り入れる必要が出てくるかもしれません。頑張ってください。
例によって全てをこなす必要はないので、自分が好きなものを必要なだけ摂取するバイキング方式でお願い致します。

勉強時間の捻出

一つ一つの勉強が重くなってくるので、勉強時間の確保が難しくなってきます。

おすすめなのは詰将棋と決めたら詰将棋だけ、実戦と決めたら実戦だけやることです。一つに集中すればそれだけ時間を得ることが出来ますし、より深くまで進めることが出来ます。
無論、詰将棋だけに時間を割いては一時的に実戦の総合力は落ちるかもしれませんが、長い目で見てプラスになる可能性があります。

スポーツ選手でも、筋力や心肺を向上させる時期、競技の技能を磨く時期と分ける場合があります。そんな感じだと思ってください。

運動

運動は重要です。筋肥大は将棋においては意味がないので、心肺をいじめるトレーニングを取り入れましょう。健康状態の向上、集中力の維持等に役立ちます。
具体的な運動方法としてはランニング、水泳、ケトルベルあたりがお勧めです。

ここからは全くの持論。実は将棋を指している間、人にもよりますが結構心拍数が上がります。これは某Vtuberを見ていて気付きました。名前はあげませんが。

この方はウルトラマラソン(100km)走破出来るだけの体力があるにも関わらず、対局中に心拍が130~140程度を示すことすらあります。
普段から運動を通じ、この程度の心拍数に慣れておくことは、大一番で普段通りの実力を発揮する、読み間違えであたふたしている時に考えを整理することに役立つでしょう。ラグビーのように、心拍数の高い状態で簡単な計算を行う等のトレーニングを取り入れるのも良いかもしれません。

詰将棋(短手数)

ハンドブックシリーズを制覇した上で役立つ短手数詰将棋を紹介します。
前回同様、反復して覚えてしまいましょう。

今は亡き週刊将棋産の短手数詰将棋です。作者が誰なのかもわからないのですが、週刊将棋産の問題集は質が高いです。
ハンドブックシリーズ等より難易度が一段階高く、かといって変に趣向めいたものも少なく、駒数も少なくとても良いです。
上記五冊で大体1000問ですので地力拡張に丁度良い負荷と分量かと思います。

詰将棋(実戦形)

短手数の次は17手詰めくらいまでの実戦形詰将棋です。これを否定する人も少ないです。
手数が長くなるにつれて、反復して覚えることも大事ですが、頭の中でうんうん考える時間も大切になってきます。具体的に何手から、というのは難しい所ですが、一つの区切りとして7~9手あたりが提唱されています。
意地になって答えを見ないのはストレスが溜まるので、個人個人の許容量に合わせて調整してください(5分考えてわからなかったら答えを見る、30分は粘る等)

問題数が多く、変に捻くれていない実戦形で易しい、安価で手に入れやすい詰将棋本を紹介します。

原田本は古いですが、何故かkindleがあるため入手がしやすいです。
上記五冊で大体1000問ですので地力拡張に丁度良い負荷と分量かと思います。

詰将棋(エンドコンテンツ)

指し将棋派としてはエンドコンテンツと認識しても良いだろうという詰将棋を紹介します。生きる意味を見失う可能性があるため、特別詰将棋が好きな方以外はおすすめしません。

簡単な問題も多く、これくらいなら取り組んでも良いかもしれません。

ゴリゴリと音がするような作風。難しいがかなりおすすめです。

正真正銘エンドコンテンツ。詰将棋サロン自体が教育的というか指し将棋派に役立つような問題を選定する傾向にあるので、地力養成には効果が高いと思われる。他人行儀な言い回しからわかるように怖くて買っていない。


これ以上難しい詰将棋は否定派も多いため、取り組む必要性は低いと断じる。断じて私が詰将棋が嫌いだからではない。

詰め&必死(詰めと必死と寄せ)

森先生が実戦に現れた詰将棋と寄せを抜き出したもの。シリーズで何冊も出版されているが難易度が馬鹿高いのであまりお勧めはしません。

現在手に入れやすいのは上記の再販本。シリーズの中では比較的やさしいが、詰めチャレで言えば2200~2400を集めたような本なのでかなり気合を入れて取り組む必要があります。

詰将棋(エンドコンテンツ)の本に取り組むとどうしても詰将棋でしか現れないような手順や手筋に向き合って生まれた意味を問いただす必要も出てきてしまいますが、本書は実戦の詰みを抜き出しているわけだからそういった懸念は生まれません。

反面、余詰めが多く答え合わせが大変という欠点もあります。この辺りは個人の酒の好みに合わせて選んでください。

必至

前回の延長で特に言うことはありません。

必死道場の師範代に襲名されれば必至分野は卒業と考えても良いかもしれません。(もっと解いても効果はあると思うが、必至は作図が難しく、そもそも棋書がない)

逃れ(凌ぎ)

前回の延長で特に言うことはありません。

逃れ将棋三冊と凌ぎの手筋200を仕上げれば玉がぬるぬるしだすこと間違いなし。

終盤の次の一手

次の一手本を選ぶ際の注意が一つあります。将棋世界産の次の一手問題は失題が異常に多いので、週刊将棋産を買うことです。

レビューにも書いてある通り、失題が多い。それだけ作るのが大変というわけだが、どうせなら少ない方が良いです。
週刊将棋産の次の一手にもちょくちょく失題があるのを確認しているが、将棋世界産ほどではありません。

上記四冊で大体600問ですので地力拡張に丁度良い負荷と分量かと思います。

将棋の考え方

なんともアバウトな表題です。今まではたくさん将棋を指したり棋譜をたくさん並べたりで体で覚えるのが主流だったと思いますが最近良い本が出ました。

実はどちらも読んでいないのですが、あらきっぺブランドでしたら問題ないでしょう。漠然とした理解を盤石にするのに役立ちます。

youtube

24初段から上を目指すとなると扱い方が変わってきます。
前回の記事では将棋放浪記を激推ししましたが、実は自分の目で見ても序盤作戦がいまいちだと感じることが多いですし、そういった意見は高段帯で散見されます。級位者を対象に分かりやすい指し回しを優先した結果でしょう。

ここからはソフトを活用し、現役で活躍しているアマ強豪の方が役に立つことが増えてくるかと思います。是非推しを見つけて欲しいです。

戦法の選択と研究

戦法選択は、大まかに主流の戦法に乗っかるか自分の世界を構築するかの二択だと思われます。

前者はプロやアマ強豪が盛んに指す角換り腰掛け銀最新形、相掛り最新形、矢倉最新形、ノーマル三間飛車等。後者は道場力自慢のおっさんが盛んに用いる筋違い角、四間飛車穴熊、なんかよくわからん力戦等

前者のメリットは現在進行形で開拓されている分野で最善に近いため単純に強いことです。デメリットは研究が進んでいる分野なので勉強量が増える、PCの要求スペックが挙がるなどです。地力を上げるためには実戦や感想戦、問題集に掛ける時間を増やすべきですので、限られた時間でやりくりするのは至難の業となるでしょう。
後者のメリットは自分の世界を領域展開できるので戦いやすいことです。勉強量が少なくて済むため地力向上の勉強時間が増えること。デメリットは序盤で-200~-300程度は覚悟しないといけないことです。

どちらも良し悪しがあるので、自分の信念に殉じるのが良いと思われます。

実戦

相変わらず将棋倶楽部24をお勧めしますが、時間帯によっては過疎っていたりするので将棋ウォーズの10秒、10切れや将棋クエストの10切れ等も良いでしょう。

戦法は相変わらず一本に絞った方が能率が良いです。ただし、ノーマル四間党だが3手目角交換に備えて角交換振り飛車を覚えるなど、ある程度作戦の幅を広げる必要が出てきます。24初段格になるころには何年も将棋をやり込んでいるでしょうから、戦法に飽きが来る場合もあるでしょう。

そんなとき、将棋倶楽部24と心中するのも一つの手ではありますが、新しい戦法を覚える際は死に覚えが手っ取り早いので、将棋クエストや将棋ウォーズの2切れ3切れを活用し、回転率を上げ、一気に習得するのもおすすめです。

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