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それは身近な病気です。

(第七回。)

あなたには、性被害、性暴力が一次的、二次的要因となって引き起こされた精神的な症状はありますか?

・PTSDと解離症状
・うつ病、希死念慮
・摂食障害
・アルコール依存、薬物依存
・罪の意識
・自分が汚れている感じ、自分が汚された感じ
・怒り

など、ザッと考えただけでもこのくらいは出てきますが、程度の差はあっても、私には当てはまるものばかりです。
それぞれについてはおいおい書いていきたいと思いますが、
今日は中でも、いちばん厄介でいちばん身近な摂食障害について、少し書こうと思います(あくまで私個人の場合です)。

私は小学校中学年くらいまでは、コロコロと太っていたのですが、高学年になるあたりから少しずつ痩せてきました。受験勉強のせいかもしれません。
でもそれは、いわゆる第二次性徴だったと思います。
極端に痩せ始めたのは、やはり性暴力が原因だったと思います。その体験と記憶がつらくて気持ち悪くて一日中何も食べられず、その状態から逃げるために中学生のくせにアルコールばかり飲んで一日の大半を眠って過ごしていました。

それからだんだん病的に食べられなくなり、まず、動物性の食品が気持ち悪くて一切ダメになりました。和食に入っているかつおだしでさえダメになりました。食べ物をとることが気持ち悪くなりました。かつては生きて動いていた食べ物が私の身体の一部になるという感覚が、性暴力を受けていた時の、外部から私の内部への侵入を思い起こさせて、気持ち悪くてしょうがなかったのです。植物性の食品なら少しは食べられたので、豆類とか野菜とかばかり食べていました(なぜかお米もパンも食べられませんでした)。

まあ、そりゃ痩せます、というか、やつれます。

そしてそういう拒食期のあとには、大抵は過食期か過食嘔吐期が来ます。でも、中学生の私には来ませんでした。(大学を辞めて実家に戻った時に経験することになります。)
食べる喜びというもののまったくない思春期を送りました。

まったくエピソードがないのもさみしいですので、大学受験の時に持っていったお弁当のメニューでも書きましょうか。苺と、プルーン。それだけでした。

どっちにしろさみしいですね。

私の摂食障害(前期)はそんな感じだったのですが、あなたには何か、精神的、身体的含めて、症状は出ていませんか?、もし何か少しでも心当たりがありましたら、すぐに病院にかかってください(心当たりがなくても、性暴力を受けた時点でお医者さんにはかかった方がいいと思いますが)。全員がいいお医者さんばかりとは限りませんが、私は、もしもこの早い段階でいいお医者さんにかかっていれば、全然違った人生だったろうなあ、と、時折思うことがあります。
でも実際、もしお医者さんにかかっていたとしても、ひと言も話せなかっただろうな、と思うのも本当なのですが。
そして、ここまで来て今の人生を嫌うことは幸いありませんが、それは運がすごく良かっただけだと思っています。

大学にも入れたし、友だちはできたし、女の子とも付き合えたし(奇跡です)、勉強も研究も、演劇もやれました。いまは音楽もやれています。音楽友達にも恵まれています。いい主治医さんにも恵まれています!

だけれども、そこまで回復したと思っている私ではありますが、夜中にどうしようもない悪夢に襲われる時がいまだにあるのです。

だから私は、あなたのことがとても心配です。

まず、死なないで生き延びてください。そうすれば必ずマイナスをプラスにひっくり返すチャンスが来ると思います。いや、来ます!、その時にチャンスを活かせればきっと、生きてきて良かったと思えますから。ですからどうか、生きることをあきらめないでください。
それがまずひとつ、今の私が今のあなたに聞いていただきたいことです。

今日はこの辺で。
じゃあ、また明日。



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