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にほんご誤用研究「かねてから交際していた…」

俳優の佐々木蔵之介さんがご結婚されました。

おめでとうございます!

そのニュースをネットの記事で見たのですが、そこに、「かねて交際していた一般女性と〜」と書かれているのを見て、「あれ?“かねてより”とか“かねてから”って書かないの?」と思いました。

私はネット記事の誤字を見つけたと思ったのです。

ところが調べてみると、そもそも“かねて”という言葉自体に、“以前から”という意味があるのだそうです。

ですから、“かねてから”としてしまうと、“以前からから”ということになってしまい、重複表現になってしまうのです。

しかし、“かねてから”や“かねてより”という表現、耳にしたことがありませんか?

こちらのサイトによれば、“かねてから”という表現は古い小説にも出てくるし、“かねてより”にいたっては平安時代にも使われているのだとか!

国語辞典にも載っている表現で、誤用ではないのです。

ただ新聞では重複表現になることを避けるため、“かねてから”というのは使わないそうです。

ちなみに、漢字では“予て”と書きます。

“兼ねて”という書き方もありますが、「大は小を兼ねる」などの併せ持つという意味の“兼ねる”と紛らわしいため、“予て”のほうがよく使われています。

とはいえ、ニュースサイトなどでは平仮名の“かねて”を使っているものが多く、佐々木蔵之介さんの記事でも平仮名で書かれていました。

“予て”と書いても、読めない人が多いかもしれませんね。

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