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機能不全家族育ちが良い恋愛をするには2 ~私の場合~

人の恋愛観や(異性愛者の場合は)女性ならば男性観、男性ならば女性観を決めるのは、異性の親や思春期までに強い恋愛感情を抱いた相手と言われている。
機能不全家族で育った女性の場合、父親に問題があり男性恐怖症や不信、嫌悪になった人も多いだろう。
こういう女性が恋愛で上手く行かない原因として自信のなさが挙げられることが多いが、私が思うに無意識に男性を下に見ているケースもあると思う。

例えば堂々とした自信ありげな男性に対しては萎縮してしまい、穏和そうな優しげな男性に対しては何故か高圧的な態度になって、男性との関係が上手く行かないと悩んでいるモラハラの父親を持つ女性を見かけたことがある。
私は幼少の頃に父親に恐怖を植え付けられると同時に、人間的に駄目なので心の底では軽蔑もしていて、強そうな男性には恐怖を感じて、脅威を感じさせない穏やかな男性には抑え込んでいた軽蔑の気持ちをぶつけてしまうのではないかと指摘した。
彼女は父親のようなモラハラ臭のしない男性を遠ざける態度を取ってしまうことを問題視したようで、何とか男性を軽蔑する気持ちをなくしたいと言っていた。
他にも不当に男性を下に見る女性をたまに見かけるが、憶測ではあるが似たような背景があるのではないかと思っている。

私の場合この女性と同じように、父は人間的に問題のある人だったが、幼少から読書が趣味で、読んだ本の著者は男性が多く彼らを尊敬していたので、父親を見下す気持ちを他の男性にも向けずに済んだのだと思う。
中学生の頃、同級生に男女ともに親に問題の少なそうな育ちのいい人が結構いたので劣等感を覚えたが、とても感じの良い子たちだったから仲良くなりたいと話しかけたものの、好かれたいと思うあまり空回りして上手く行かなかった。
振り返ると学生時代に友人になったのは、性格は決して悪くない良い子たちだったが、母子家庭であったり兄弟格差を気にしていたり、父親を蛇蝎のごとく忌み嫌っていたりと、家庭に何かある女の子ばかりだった。

私はこういった経験から、確実に幸せになれそうな育ちの良い人とは親しくなれないのではないかと自信をなくし、20代になっても恋愛に積極的になれずにいた。
この頃までは私の母が良かれと思って父と結婚した経緯を隠していたので、両親のように不仲になるのを避ける方法が分からなかった。
そういう状態で不幸を避ける確実な方法は、最初から恋愛も結婚もしないことだった。

母はバツイチで父とは再婚だったことを隠していたのだが、それを打ち明けてくれたのは私が30代に入ってからだ。
詳しくは以下の記事に書いてあります。

母の話を聞いて私は目の前が明るくひらけた気がした。
少なくとも母とは同じ間違いはしないことが分かったのだ。
生い立ちから肉親すら信頼できなくなっていたが、そうだからこそ誰か心を開ける人が欲しいと、でも無理そうだからと閉じ込めていた願いが、もしかしたら叶うかもしれない。

私は婚活を始め、一人の男性に出会う。
彼は自分が生い立ちに問題があって精神を病んだ過去があることをオープンにしていた。
私は彼が機能不全家族育ちであり、それを克服するために苦闘してきた人であることを直感し一瞬で強烈な恋心を抱いた。
最初に思春期までに強い恋愛感情を抱いた相手が恋愛、男性観を決めると書いたが、私がその頃に恋心を抱いた相手は、出生に秘密があり生い立ちに困難があって心を閉ざしていたが、同じように辛い生い立ちのある一人の女性にだけは心を許していた二次元男性キャラである。
この人は私の恋愛観、男性観の原点と重なっていた。
しかも人格が磨かれている男性との恋が成就する確率が最も高くなるパターンだった。
この男性がのちに私の夫になった。