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妖怪妄想室①~疫病避けとして伝承されている妖怪集めてみました【その1】~

<妖怪妄想室>とは、妖怪好きな消しゴムハンコ作家、ちさ@はんが妖怪についての妄想を垂れ流しているnoteです。
*妖怪のキャラクターや考察は、資料を調べながら、ほぼ個人の妄想で書いてます。妄想ですので事実と異なる場合もあります。ご注意ください。


2021年、新型コロナウイルスの流行により、アマビエをはじめとした予言獣と言われる、豊作や疫病の流行を予言する妖怪に注目が集まっています。

また、白澤や撞鐘のように中国で古くから描いた絵が疫病避けや悪運避けになるとして伝わっている存在もいます。

妖怪妄想室、第一回は、疫病避けとして伝承されている妖怪たちについて妄想で語っていきたいと思います。

<アマビエ>

アマビエ

新型コロナウィルスの流行で一躍脚光を浴びることとなったアマビエさん。
SNSでの拡散により予言獣界のトップアイドルに駆け上がった超時空シンデレラ的妖怪。

絵を見せろとは言っているが、どうなるかについては言及していないところは、天然による言い忘れなのか、それとも保険を掛けるタイプなのか…。
そこはかとなく二面性を感じられるため、アマビエはアイドルの皮をかぶった元ヤンのイメージ。

皆といるときは「あんまり飲めないので…カシスオレンジください💛」って言ってるけど、きっと家には大五郎ストックしてる。

アマビエは、後述のアマビコがいくつも資料があることに比べて、書かれている資料が一つしかないため、アマビコの書き間違いでは?などと言われてもいます。

しかし、それではロマンがない。

水木しげる御大もアマビエを描いていらっしゃり、また、SNSで大ブームとなったことから、アマビエには何か人を惹きつける魅力があります。
そんな魅力のある妖怪を書き間違いで片づけてしまうのももったいない。

アマビエはアマビコに比べて髪が長い(髪の長いアマビコもいる)、足がヒレっぽいなどの特徴があるので、雌形態→アマビエ、雄形態→アマビコだと面白いなぁと個人的には思ってます。


<アマビコ>

アマビコ

江戸時代から明治の刷物や書籍などに何回も登場するアマビコ。アマヒコという場合もあり。

アマビコは漢字を変え、さらには尊とか入道とか追加してみたり、手足も3本だったり2本(?)だったり4本だったり沢山だったり、猿っぽかったり鳥っぽかったり魚っぽかったりの多種様々に描かれています。
猿っぽい形態のアマビコが一番多く、長髪で比較的アマビエに近いバージョンもあります。

主に熊本や新潟に出現しています。何故熊本と新潟が多いのかは謎。
今回は熊本弁のアマビコさんにしました。

ちなみにイラストは3本足ですが、このイラストの参考にした絵は、ぱっと見3本足なのですが、よくよく見ると右側の前足の陰に後ろ足が見えます。

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アマビエのウィキペディア内にあったアマビコ絵

…4本足だとほぼ普通の猿!ただの猿!

なので、手足は3本の方が何か不思議な感じがするので3本にしました。3本はアマビエとお揃いだし!

そんな漢字も姿も安定していないアマビコさん。
今回、アマビコでなくアマビエの方が流行ったのは、アマビコが色んな資料で描かれすぎて変異体が多く、姿が安定していないことも原因の一つではないでしょうか。


<アリエ>

アリエ

アリエは、もう名前からして、「アマビコの意志を継ぐ者」であります。

載っている資料も明治時代の新聞という、他の予言獣に比べても若いアマビコ家の末っ子坊主です。

アマビコとまとめても良かったのですが、何となく末っ子の雰囲気がかわいくて別添え。(実際の文章には老婆の顔って書いてあるけど気にしない)

でもね、特に書くことはないの。だって、ほぼアマビコだから!
…なんて言ってるとかわいそうだからつらつらと書いてみます。

ぱっと見は、ムーミンかアグモンかピー助。鱗もあるっていうからどっちかというと水生恐竜に近いのかも。
アマビコとの大きな違いはですね、尻尾があるんです。爬虫類系の尻尾です。

老婆の顔だし、名前もアリエだから、もしかしたらアマビコの意志を継ぐ女子だったのかも…という懸念が頭によぎりつつ、気づかなかった振りをします。
もうすっかり、素直でやんちゃな男の子のイメージだったもので…。


<神社姫>

神社姫

予言獣界隈では年長組に入る神社姫。AKY48(有明海妖怪)のセンターポジション狙ってます。
令和になってアマビエが不動の人気第一位になったので、次は総監督の座を狙っているのではないでしょうか。

尻尾は三又で刃物っぽい。何ならヒレも刃物っぽい。角もある。姫っていう割には触るな危険の匂いがプンプンしてます。

特徴は、竜宮の使いって言ってるところです。
ちなみに、竜宮といえば、浦島太郎が一番有名ですが、色んな物語で出てくるので、海といえば竜宮ってのは割とメジャーだったのかな。

同じ頃に同じく平戸(長崎)で、お腹に真珠っぽいものが付いてる姫魚という予言獣も描かれていますが、たぶん同一妖怪と思われます。

後年、同じ姫系の神池姫が静岡に資料として見つかっています。
ぱっと見はほぼ神社姫。姫魚と同じくお腹に真珠があるのが特徴的ですが、実は神池姫も平戸に現れた妖怪の話を描いたものが静岡に資料としてあったということらしいです。

姫系は大体神社姫の系列じゃないかという気がしてきました…。
姫という呼ばれ方に相当こだわっているのが伝わってきます。


<ヨゲンノトリ>

ヨゲンノトリ

双頭の鳥型の予言獣です。発声器官はどこか気になりますが、オウムを思えば人語をしゃべってても不思議ではない。

鳥型の予言獣といえば、鶏にクジャクの羽を足したような姿の伊勢の奇鳥もいます。奇鳥っていうのは、奇妙な鳥ということで、神社姫みたいな名称ではないのです。
「吾輩は奇鳥である。名前はまだない」的な。

だとすると、ヨゲンノトリも予言する鳥ってことで、もしかするとアマビエなどの固有名ではないのかも…。

ヨゲンノトリは我々の姿を描いたものを朝晩拝めと言っています。
朝の鳥と夜の鳥で双頭なのかと勝手に推測、何その朝と夜の物語(ロマン)。

我々って言ってるのも意志が二つあるのを感じて萌えポイント。

山梨の人が書いた日記に記載してあるのですが、出現場所は石川らしい。

このヨゲンノトリ、一番すごいのは疫病(?)の致死率。なんと9割亡くなると予言しています。予言獣の中でも高い数値です。
人類ほぼ死に絶えるよ…。

ヨゲンノトリが載っている資料(暴瀉病流行日記)が書かれた頃は、実際、コレラが流行っていたそうす。

予言獣はその性質からか疫病が流行っているときに描かれていることが多いです。

今回の新型肺炎も、後の世になったら、こんな妖怪達がSNSで流行したって言われるのかな。ここから新しい妖怪が生まれるかもしれませんね。

次回、まだまだいるよ予言獣、さらには中国の疫病退治妖怪も!妖怪妄想室②に続きます。

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