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旅の後。

旅にはトラブルがつきものだ。

そしてトラブルが起きた時の余裕のない感じすら終わりよければすべてよし。思い出になるものだ。

旅の最初に嬉々とした様子で音楽プレイヤーを手に取った私だが、プレイリストが手違いで整っておらず、手動で何の曲を入れていたかを思い出しながら「この曲を聴きながら道中を過ごしたかった。」と音楽プレイヤーの画面を睨みながら話をする。また次の機会に私が作った音楽のプレイリストを聞いてくれるとのこと。

何曲か導入を覚えていたので、何曲か流すと「自分が知っている曲を流してくれているよね。」と、気付いて貰えたので少し機嫌が良くなる。楽しんでもらえたようで何よりだった。


どこに行ってきたのかといった話は置いておいて、今回の旅は車での移動だ。車での移動で助手席の人が気をつけなければ行けないことは、ドライバーのサポートと、いかに寝ないかという私の戦いは、ドライバーの「全然寝ていいよ。」という言葉に揺らいでしまう。

自分の身内の話だが運転中に寝ていると多少小言を言われるので、それを後部座席から聞きながら後ろで寝ていた幼少期を考えると、「寝ていいよ。」と言われた方が寝ないというパターンもあるように思う。この人の運転を旅が終わるまで見届けようという気持ちが生まれるのだ。眠気覚ましに買っておいたお菓子が酸味があって美味しい。


前の旅の話にもかかってくるが、旅の最中のコーヒーとはなんて美味しそうに見えるのだろうと常々思う。自分は車の運転をしないので、美味しさやありがたさは見たままの事しかわからないのだが、自販機で売っている紙コップのコーヒーでさえ美味しそうに見えてくる。SAで食べるカレーは美味しいというだという感覚に近しい。コーヒーとは一時的な疲労回復などに効果があるらしく、長距離運転にはもってこいのように思う。アイスコーヒーが染み入ると話す旅の仲間は、疲れてはいたが楽しそうだ。


旅は楽しい話だけでは無いが、お土産話は楽しい話がいい。旅の食事の最中に旅の仲間から興味深い一言を聞いた。

「人と旅に行くと、その人の知らなかった新しい側面が見える。」

その一言を聞いて、私ももっと周りの人を旅に誘うのもいいかもしれないとしみじみと感じた。決して一人旅が多い訳では無いが、確かに創作物でもよく、「旅の仲間は多い方がいい。」という言葉を聞く。


今回の旅の仲間も初めて一緒に旅をしたのだか、新しい側面はあっただろうか。と少し考えてみる。相手にも私のことを知って貰えたなら嬉しい限りだ。

お土産に買ってきたワインを嬉しそうに渡しながら、私の知らない所で少し不機嫌そうな家族の様子に、現実に引き戻されていく。


あとで写真を見ながら旅を振り返ってまた思い出の旅に出かけるんだと思いながら日常へ戻るのであった。

旅の1ページ。

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