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ショートショート 不思議な鍵


不思議な鍵は今度はどこの世界へと連れていってくれるのだろうか。

ある所に好奇心旺盛な子リスの少年がいた。少年は至る所に冒険し、ありとあらゆる他愛のないものを集めていた。

ある時小さなリスの少年がいつものように物を集めるために散策をしていると、空から不思議な鍵が落ちてきた。拾い上げた鍵は小さな鍵だった。空から落ちてくる鍵なんて、なんて夢があるんだと少年の胸は高鳴る。

少年は鍵の鍵穴を家にために貯めた宝物の中から探していく。謎のオブジェ、ガラクタとしか呼べないものであっても少年にとっては宝物だった。

少年は一冊の本の存在を思い出す。確かあの本は「真夏の夜の夢」というタイトルだっただろうか。鍵がかかっていて読めなかったので内容は分からなかったけれど、あれは確か…。

少年は部屋をひっくり返す勢いで本を探す。
本は部屋の片隅にホコリをかぶっていた。さっとホコリを払い、少年は鍵穴にそっと手を伸ばす。

少年の瞳は宝石玉のように輝いていた。

彼の新たな冒険が始まろうとしていた。



少年と鍵

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