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カワセミ、エビを取る1

   先日、カワセミが2羽で飛んでいたのが忘れられなくて、再び足を運んでみました。
 残念ながらカワセミは見当たりません。

 ガッカリしているところへモカさんからメールが来ました。
 これから鳥見に合流したいのだけど、40分後はどこにいますか?と書いてありました。
 私は現在地を書いて、集合場所にはカワセミの沼を指定しました。

 鳥見仲間で茶飲み友達のモカさんは、私が思っていたよりも早く着いて、カワセミの沼に双眼鏡をめぐらせていました。

 「いた、カワセミ!」
 いつもどおり、モカさんの方が目ざとく鳥を見つけるのでした。
 私が双眼鏡を向けると
 「今日のはレベルが高いよ」
 モカさんは双眼鏡を覗きながら教えてくれました。
 「緑の葉が濃い所と、枯れた枝の境界線あたり、下から1メートル、右側」

 木の種類が変わって、常緑樹と落葉樹の境界がはっきりした場所がありました。
 カワセミらしい姿は常緑樹の奥の方にありました。
 「見つけたと思う」
    私は続けて
 「今は横を向いていて、オレンジのおなかが左」
 この返事で、モカさんには伝わったはず。

 カワセミは藪に隠れていたのですが、パッと飛び立ち、木の枝に移動しました。
 細い枝がたくさんあるのと、遠いのとで、うまく写真が撮れない位置です。
 しばらく見ていたのですがカワセミは動きませんでした。

 モカさんが
 「向こうに行けば近くで見られるかもね」
 冗談っぽく言ったので
 「行ってみたい」
 こうに返すと
 「行ってみれば、ここで待っているから」

 そういうわけで私は沼の反対側、カワセミの近くへ移動することにしました。
 モカさんが離れていく私に向かって
 「2羽いる、2羽」
 と、声をかけきました。

 さすがモカさん、目が良い。
 前の週に2羽いるのを見ているので、やっぱり2羽いるのだと思いました。

 先ほどのカワセミは木の上から移動していませんでした。
 少し距離をとって、逆光にならない位置に立ちました。

 カワセミは水面を覗いて、餌を探しているように見えました。
 狙うように体制を構えてみたり、ふっと力を抜いたり。
 やがて、餌はいないと諦めたように木々の濃い方へ飛んで行ってしまいました。

 モカさんがこちらへやってきたのはこの頃でした。
 もう少し早く来ればカワセミ撮り放題だったのに。

 チー!
 カワセミの独特な鳴き声が聞こえてきました。
 いつの間にか沼に戻ったようで
 「あっちにいる!」
 モカさんと私は慌てて先ほどの池の反対側に戻ったのでした。

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