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心地よいひととき

「普通にしてたら楽しいんだよね」

彼女はそう言って笑ったんだ


遠い昔
中学の部活が同じだった
終わって帰り道も同じだった
いろんなことを話しながら
笑ったり笑ったり笑ったり
時には交差点で立ったまま何時間も
真っ暗になるまでおしゃべりしてた

二人ともまだ子どもだったけれど
彼女とは不思議と喧嘩をしたことがない
言い争った記憶もない
ただただ
おしゃべりして笑っていた

中学生同士だったのに
今思えばとても
大人びた間柄だった

お互いをお互いが尊重していて

似ているけれど
真っ向から違った面もある
当時はあんまり氣づいてなかったけれど

それでも
二人で帰り道にいろんな話をした


進学するにつれて
歩む道は違っていって
就く仕事も全くの畑違いになった

彼女は看護師
私はシステムエンジニア


独身貴族の間は
年に数回は会って話した

彼女はとってもお酒が強い
私はまったくお酒が飲めない

それでも居酒屋で
ワーワー楽しくおしゃべりができた


実家から出てからも
お付き合いは細々と続いている

ふと氣になって手紙を書くと
あちらからも同時に届く
そんな不思議な間柄だった


そうして今もたまに会っておしゃべりに花が咲く

『生きていればいろんなことがある』

それでも二人とも

会って喋って笑い飛ばす

「普通にしてれば楽しいよね」

うんうん
そうだね


いろんな現実を笑い飛ばせる

そんな友人との心地よいひとときが
私は大好きだ

まだ本人の前では
ちょっと氣恥ずかしくて言ったことがないけれど

「いつも本当にありがとう💕」

心から・・・





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