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ひき肉オムレツ


今朝、なんとなく思い出したことを忘れないうちに。


私の母は料理があまり好きではない。
作る料理はもっぱらレンチン料理か
調理せずすぐ食べれるものか
焼いた魚や焼いた肉か何かを炒めただけのやつか
鍋にいろいろぶっ込んで煮るだけのぶっこみ料理。

とにかくシンプルに手取り早く作れる物しか作らない。

だからこそ、たまに母親が少し手間をかけて作ってくれる一品がとても印象に残っている。
お世辞にも美味しいと言えなくても、「あの母が手間をかけた」というスパイスが入っているだけで食べたときの満足度は高くなる。


その一つ、ひき肉入りのオムレツは、
母の作るちょい手間料理の中で、
私が特に好きな料理の一つ。


私は以前、鬱で部屋に引きこもり、同じ屋根の下に住んでいながら母と顔を一切合わせないように生活をしていた時がある。

その当時、母は昼間はパートに行って留守にしていたので、私はその時間を見計らってキッチンで食事をしていた。

母はそのことを知っていたので、たまにキッチンに置き手紙を置いて私に伝えたいことを伝えてくれていた。
(主に「心配しています・ほっとけません系」が多かったw)

私もそれに返事を書いてキッチンに置いていた。
(「そっとしておいてほしい系」が多かったw)


母娘で謎のキッチン文通が家族間で行われていた訳である。笑


だんだんと私の心が回復してきた時に、
私は久しぶりに母のご飯が食べたくなって
「久しぶりに母さんのひき肉入りのオムレツが食べたい」
とキッチン文通の手紙で伝えた。


その次の日、キッチンに行くと、ひき肉入りのオムレツが手紙とともに置いてあった。
卵からひき肉が少しはみ出ていて、少し不格好なひき肉入りオムレツ。

「久しぶりに作ってみたけど、具入れすぎて失敗した。
 まあ気持ちだけ受け取って。
 残していいで 多すぎるで。」

手紙にはそう書いてあった。


あの時のひき肉入りオムレツよりも愛情を感じるひき肉オムレツに、今後私は出会うことはないと思う。



母は料理が苦手である。
でも、どんなに苦手でも作った料理が不格好でも、この人の料理から”優しい母の味”を感じることができるのは私と姉だけである。



お母さん、ありがとう。

作ってくれた料理も
もらった手紙も
ずっとずっと私の宝物です。



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