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絵本"ブルとエマ" ~伝える者たち~(特別公開)


私の大切な仲間であり、全力で応援している
ぬくさんの描いている絵本「ブルとエマ」の物語を特別にみなさんに公開します!


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🔻配役事に色分けしたものはこちら↓

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絵本 ダイヤ王国 ブルとエマ〜伝える者たち

作者ぬくさん


登場人物
エマ・ハンドロ emer・handle
ブル・ビーシー blue・bc
グリー・エムアール green・mr
シャーリン・ブレイク wheel・blake
レイラ・カント rail・cant

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P1

「不思議なことに心はどこかでつながりあう。直接つながらないにしろ思いもよらない出来事を巻き起こすことがある。不可能だと思われることを可能に変えてしまうことだってある。心と心がつながった瞬間、なにかが生み出される。世界で巻き起こる全ての物事、創造、文化などは心から生まれる副産物なのかもしれない。」

    シャーリンの日記より抜粋


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P2

ここはダイヤ国

こびとたちは昔から
自由気ままに暮らしています

朝は太陽キラキラ
夜はお星さまキラキラ
晴れの日は海がキラキラ
雨の日は森の草木がしずくでキラキラ
こびとの目は希望でキラキラ

キラキラ輝くこの国に
待ち受けるものとは一体なんだろう
__________

P3

ダイヤ国のこびとたちは
お仕事のため
毎日マハへと出向きます。

毎朝おひさまが顔出したらさあ出発

カナーヤの横には大きなお山
お山を超えても続いて草原

ながい草原オカをぬけると
お昼ご飯の時間にマハに到着

毎日毎日必死に通っているよ。


__________

P4

話は変わるけれど
ダイヤ国王子のシャーリンは
パー二の娘レイラに恋をしてるんだ。

シャーリン王子は
国のみんなから信頼されているよ。
ひとりひとりと寄り添いながら
みんなの幸せと
国の繁栄をいつも願ってる。
情熱に満ち溢れた黒髪の似合う若者だ。

ふとお花屋さんに立ち寄ったシャーリンは
美しいレイラに一目惚れ。

時間を見つけては
お店に顔を出し
レイラもまだ知らない
赤いお花をプレゼント。


S『大好きなレイラ..どうすればこの想いが伝わるのだろう...カナーヤからパーニ..あまりにも遠すぎる..なにかいい方法はないものだろうか。』

__________

P5

【②話 こびとのエマ】

お父さん「エマ、この懐中時計は友人からの大切な贈り物なんだ。彼は言ってた、私たちが過ごした時間はかけがえのない宝物。共に過ごした時間を忘れないでほしい。これからあなたの過ごす時間が今以上に有意義で大切なものになるように祈っている。と。」

エマ「お父さん、時間が大切ってどういうこと?時間て物なの?」

お父さん「ふふふ...その意味がわかる日がエマにもいつかきっと来るはずだよ。だからその日までこの時計を大切にしておくれ。」

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P6

いつもポッケに持ち歩いている
まんまる銀色の時計は
お父さんからエマへの大切な贈り物。

昔から不器用で

勉強もスポーツも料理も大の苦手。
もちろんお仕事も

でもなんでだろう?
人や生き物の気持ちがよくわかる
誰にでも優しくできる
瞳の綺麗な女の子。

エマはいつだって人の幸せばかり願っているよ。

E『私はいつか誰かを幸せにしたいんだ。みんなが笑顔で幸せに暮らせればいいな。」

__________

P7

【③話 嫌われもののブル】

〜音楽〜

パーニの村人「まーたブルの仕業か⁉︎
何度言ったらわかるんだ、家の下に穴を掘らないでおくれ‼︎本当にお前は迷惑ものだ、パーニから出てっておくれよ‼︎」

またブルが町のみんなに迷惑をかけてしまったみたい...。


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P8

ねずみ?もぐら?
身体がとっても大きくて
銀色に輝く毛並みを身にまとい
目の上に着けているのはなんだろう?

得意の穴掘りで夢中になると
お店やお家が崩れることも...。
いつしか嫌われ者になっちゃった。

嫌われものになったからかな?
性格がねじ曲がってしまったよ。
でもね...
心の中では
誰かの役に立ちたいと思ってる。

『なぜ俺は失敗ばかり..嫌われものだ...夢中になるとなにも見えない。俺だって誰かに必要とされてみたいんだ。」

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P9

【④話 ブルとエマの出会い】

あれ?
エマは今日も考えごと。
考えすぎて背中が丸まってるよ。
下を向いて歩いているから
大きな何かにぶつかったみたい。


B「あ..ごめんよ。俺、身体がおおきくてよくぶつかってしまうんだ。
今も考えごとしてたら歩くの忘れてたみたいだ...ふんっ。」

E「んーん、こちらこそごめんなさい。私も考えごとをしていて..下を向いて歩いていたみたい。」

B「なんだキミも考え事をしていたのか..なにを考えていたんだい?」

E「うーん。わたしね、なにをしてもうまくいかなくて..失敗ばかりで..またおしごともやめることになっちゃって...。」

B「そうか..俺とおんなじだ。なにをしても迷惑かけてばかり。パーニでは嫌われものになっちゃって...最近カナーヤに逃げてきたんだ..ふんっ。」


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P10

E「あら、あなたも大変ね。でもあなたには得意なことくらいあるんじゃない?私にはなにもないもの...。」

B「んー..穴掘りは大好きだ、それに走るのだって誰にも負けないさ!
でもお家を壊したり..迷惑ばかり..ふんっ。」

E「うふふ、おうちが壊れたら誰だって怒るわ。それにいくら得意でも迷惑はかけちゃいけないわね。でも穴掘りだって走ることだって立派な長所よ?わたしにはできないことだもの、すごいわ!」

B「そうだな...これからは気をつける。キミとお話してると心が明るく優しい気持ちになる。それがキミの長所じゃないのか?」

E「そんなこと..言われたのはじめて。
そんな風に考えたこともなかったわ..嬉しい、ありがとう。あなた、おなまえは?」

B「俺のなまえはブル。ブル・ビーシーだ。ブルって呼んでくれ!君のなまえは?」

E「わたしはエマ。エマ・ハンドロ。ちっちゃいからエム(ミニマムサイズのM)って呼ばれたりもするけど、好きなほうで呼んでね。」

B「エマ、こびとは得意じゃないけど君は特別だ。よかったら友達になれないか?」

E「ありがとうブル。わたしもブルがとても好きになったわ、今日から私たちは友達ね、うふふ。」

ブルとエマがはじめて出会った瞬間です。

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P11

そのころ
シャーリン王子は頭を悩ませていました。

S「どうしたものか..花屋のレイラに恋をしてしまったみたいだ。
町のみんなにプレゼントしようと花を買いにパーニへ訪れたが..まさかあんなに美しい女性に出会うなんて...。」


レイラはパーニの花屋の娘。
雪のように白い肌
艶のある髪の毛
ひまわりのようにまっすぐ強く
あじさいのように淡くて温かい笑顔は
お花屋さんにぴったりだ。


S「この想いをレイラに届けたい..しかし時間と距離がそれを許さない。なにかいい方法はないものか..。」

S「は⁉︎そんなことよりエマはまた仕事をやめたらしい..パーニから来た例の子と仲良くしてるらしいが2人とも大丈夫だろうか?話でもしておこう。」

__________


P12

【⑥話 王子シャリーンの閃き】

王宮にて.....

S「エマ、元気でやっているのか?みんな心配しているぞ?」

E「シャーリン王子...私はなにをしても失敗ばかり。でも誰かに必要とされたい、役に立ちたいんです。ただ..みんなに笑顔で幸せになってほしい。」


S「エマははだれよりも優しいからな..それがエマの1番の長所だ。」

S「そうだパーニからきたという君、カナーヤの居心地はどうだい?」

B「ふんっ、パーニもカナーヤもおなじだよ。みんな俺を厄介者だと思ってる。こびとは苦手だ、エマを除いてね。」

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P13

S「みんなキミのことをよく知らないだけだよ。エマよ、彼と仲が良いみたいだね、少し教えてくれるかい?」

E「彼はブル、ブル・ビーシー。パーニでは得意の穴掘りで迷惑をかけてしまったみたい...うふふ。それでカナーヤに来たのよ。」

S「そうか..ブルよ..嫌な思いをさせたな。だがエマのように心優しい人もいる。どうかみんなを嫌いにならないでくれ。君にしかできないことは絶対にあるんだよ、それを忘れないでおくれ。」

B「そうだな...わかったよシャーリン。パーニでは俺も悪かったしな、みんなのことを少しずつ好きになれるよう努力してみる。いまの俺にできる唯一のことだから。」

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P14

E「そうだシャーリン..なにか困ってることはない?わたしたちにもなにかできることはないかしら。」


S「そうだな..2人にも仕事をさせてあげたいしな考えよう...。」

.....

「ん..⁉︎なあブルよ?穴掘りが得意なんだな?地面の下に穴を掘ってカナーヤからパーニまでをつなげてしまうことはできるか⁉︎」

B「カナーヤからパーニまで?そんなのへっちゃらさ!でもそれがどうしたっていうんだい?」


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P15

S「照れくさいのだが..パーニに住むレイラに恋をしている。想いを伝えたいがなんせ遠いからな..なかなか話しもできなくてな。」

「山を越え...オカを通り...さらにマハを越えパー二に向かうだろう?もし地面の下にパー二につながる一本道があったら?」

E「地面の下に一本道?考えたこともなかった。そうね..町のみんなもお仕事や買いもの、家族に会いに行ったりしてる。そんな道があったならすっごく助かる!すごい発明ね、うふふ。」


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P16

B「エマのちっちゃい足じゃそれでも時間がかかるだろ?俺が走ればあっという間さ‼︎俺がエマを乗せてどこへでも連れて行ってあげるぜ!」

E「うふふ、そうね。ブルの身体はこーんなにも大っきいし、足だってはやいものね。もしそんな道ができたら...その時はわたしを乗せて連れて行ってね!」


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P17

【⑦話 ブルの活躍 〜歌〜】

〜地下編〜

E「ブル、今日からシャーリンの想いを"伝える"手助けと国のみんなを"繋ぐ"ためにがんばりましょう。」

B「あぁ。今まで一度だって必要とされたことがなかった。でも自分から力になろうと行動した。それは君のおかげだ。君の温かい思いが..立ち止まってばかりの俺を動かした。」

E「私も下ばかり向いて生きてきた..でもあなたと出会って..今は前を向いて歩いている。
私にとってこれは希望の道..ブルのように穴掘りが得意ではないけど隣で寄り添わせてね。」

B「もちろんさ!ただ..俺は穴を掘りだすと夢中になって周りが見えない。そのせいで迷惑ばかりかけた..もう2度と迷惑をかけたくない。」

E「パーニでの話ね...。私があなたの目になる、私たちは今日からふたりでひとつ!うふふ..もう心配しないで大丈夫。」


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P18

人々の希望の道

そうなることだけを信じ

ブルとエマは進みました。


E「ブル見て!青色のダイヤがたくさん出てきたわ!なんて綺麗なのかしら..。」


B「あぁ...本当に綺麗だ..。」
B「マハの地中には青いダイヤが眠ると聞いたことがある。やっと中間地点か..しかし"繋ぐ"のは思っていたよりも大変だ。」

E「そうね。みんなの期待も背負っているから。でも..だからこそみんなのために前を向き立ち止まらず歩いていける。」

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P19

一方地上では...

太陽は顔を隠し
雲がモクモク
連日...
雨がザーザー
風がビュンビュン吹き荒れ..
空は真っ暗闇..
なんだか不吉...


声「なんだか地面の下が騒がしいね、また友達が失われてくのかな?なんとかしなきゃ」

声「うんうん、なんとかしなきゃ、なんとかしなきゃ」
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P20

E「ブル!パーニはそっちじゃない!そのまま上に行くと地上に出ちゃうわ!うふふ。」

B「ごめんごめん!また夢中になってしまった...家下に出たりでもしたらまた迷惑をかけてしまう。」

E「うふふ..夢中になれるのはいいことよ。そのために私がいるんじゃない..だから安心して。それにしてもパーニはまだかしら。」

B「ありがとうエマ。パーニはたしか赤いダイヤが目印だと聞いたことがある。」


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P21

B「あ、赤いダイヤが出てきたぞエマ‼︎」

E「ほんとうだ!青いダイヤも素敵だけど赤いのもとても綺麗。でもどうして場所によって色がちがうのかしら...。」

E「ねえブル?国のみんなや自分のために前を向いて歩いてる..その道の中で見るからこんなにも綺麗なのかしら?」

B「そうかもしれないな。ただ自分の欲望のままに穴掘りしている時は気づけなかった...目的のために歩いていると景色はこんなにもちがって見えて...そして本当に綺麗なんだな。」

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P22

E「お父さんの言葉..大事な人と過ごす時間はかけがえのないもの...そしてその時間を有意義で大切なものにしてほしい...今ならその意味がわかるわ。」

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P23

【⑧話 つながる王国】

〜王宮にて〜

S「ふたりとも本当にお疲れ様。よくやってくれたね...感謝しかないよ、ありがとう。」

B「シャーリン..エマにも言ってないんだが...俺からの提案だ...毎朝俺がみんなをマハ、パーニへ送り届けたい!俺が走ればお年寄りやからだの悪い人たちだって楽に行き来できる。」

E「ブル..わたしも考えてたの。私も手伝うわ!道を繋げて終わりだなんていやだもの。私がブルを導くわ、うふふ。」

B 「エマがいないとまた迷惑をかけてしまうからな!それに俺たちはふたりでひとつ!これからもよろしくな。」

S「ふたりとも...なんと言ったらいいんだ...きみたちには感謝しかない。いつの日か...必ずお返しをする、私の人生にかけて。」

S「しかし最近は連日嵐だな、身体の不調を訴える者も出てきた...早くお天道様も機嫌を直してほしいものだ。」
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P24

それから毎日
ブルとエマはこびとたちを
各地へと送り届けました。

シャーリン王子「ブル、エマ本当に感謝している。あれから...レイラにわたしの想いをしっかりと伝えられてる。そしてレイラも私を好いてくれている。ふたりのおかげでお互いの想いが伝わったんだ。私だけじゃない、国のみんながキミたちのおかげで前よりも強く繋がり、想いを伝え合い、より絆を深めてる。これからもひとびとの想いを届け、伝えていってくれ。」

国のみんなも大喜び
この先に起こる出来事は知らないまま...
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P25

【⑩話 ひろがるコンコン熱とエマの活躍】

ブルとエマの活躍で王国中がつながったのですが...

新年を迎えてすぐ、こびとたちに異変が起きました...。

どうやら...「こんっこんっ」と咳が止まらず苦しんでいるこびとがいるみたい。

そして、ひとり..ふたり...病に倒れていったのです。

それはこんこん熱と呼ばれ..原因もわからず..王国は病気と不安に包まれるのでした。

こんこん熱は人から人へと移るようで...王国の間に瞬く間に広がっていきます。

こびとたちは家から出ることをやめ、町ではこびとの姿をほとんど見かけなくなりました...。
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P26

コンコン熱は猛威をふるい

人々を苦しめます。

村人「外へ出てはダメ、人に会ってもダメよ!」

話すことも

触れ合うことも

笑い合うことも

奪っていきました。

村人「しっかりして、、ねぇ!」

村人「どうして、、どうして、、」

村人「私たちがなにかしたの?」


時には残酷に

人々から大切なものを奪うのです。


声「私たちも必死、ただ生きたいだけなんだ。」
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P27

〜待ち合わせ場所〜

E「ブルやっぱり今日も少ないね...。」

B「こんな時だからな..しょうがない。」


声「ぼくたちも生きてる..必死で..迷惑..かけたいわけじゃない..共に..生きよう..」


E「ブル、なにか聞こえなかった?」

B「いやなにも?疲れてるんじゃないか?」


声「今は..繋げ..届けろ..伝えろ..」


E「んーん、大丈夫よ。ブル、今は自分たちの行動を信じて前を向いて進みましょう。」

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P28

そこへ国の人々がやってきました。

村人「ふたりとも、なにをやってるんだ?こんな時に送り向かいなんて...みんな我慢してるんだ!大切なものを失った人もいるんだぞ!」

村人「そうだ!こんこん熱も運んでしまうかもしれないからな!お前たちがやっていることは最低だ!」

E「みんな聴いて!たしかに今は大変な時..でも送り届けようとしている人たちはどんな人たち?」

E「国のため働く人..病気を救う人..家族のお手伝い..それぞれ理由はちがう...でも、どうしても送り届けなくてはならない人ばかり。私たちは彼らを繋げないといけない。彼らの想いを伝えるために走らないといけない。」

B「そうだよみんな!それに..これはシャーリンが教えてくれたんだ。ひとびとの想いを繋げ、伝えてくれって。こんな時だからこそその意味がわかる。みんなどこかで繋がってる...想いは伝え繋ぐことで連鎖していくんだ。」

村人「う、うぅ、そうだな、ふたりに頼るしかなさそうだ。」
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P29

それからもブルとエマは
送り向かいを続けました。

困難に直面しても
以前のように立ち止まらず..
下を向かず..
走り続けました。

自分たちにできることをただ必死に必死に積み重ねていったのです。

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P30

そんなある日、、、

とある医師からシャーリン王子へ報告がありました。

医師「シャーリン王子、私は毎日パーニへ訪問診療に出向いているのですが...その患者のご家族の中に特殊な方がいらっしゃいましてね...。
その方のご家族はみんなコンコン熱にかかっているのですが...彼だけ家族と接していてもコンコン熱にかからないのです...。彼にいろいろとお話を聞いたところ...彼には変わった習慣があるようで...というのも...パーニの花屋にだけある珍しいお花を煎じて茶にして飲むのが好きらしく......んーまさかと思いその花の成分を調べたところ...なんと、コンコン熱を抑制する効果があることがわかりました。その花も昔はよく咲いていたのですがねえ。最近はめっきり見なくなりました。赤いお花なんですがね。レイラという女性の花屋なのですが、シャーリン王子は知っているでしょうか?」

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P31

S「なんだと..⁉︎レイラの花屋の花にそんな効果が。なんということだ... 赤い花と言えば私が毎日レイラへの想いと共に送り続けた...あの花か...⁉︎
すごい...すごすぎる...やはり想いというものはどこかで繋がり..伝わり...そして連鎖していくものなのだな...私の想いがこういった形で繋がっていくとは。
これも必死に頑張ってくれたお医者さまと..想いを繋げ伝え続けたエマとブルのおかげだ...あぁ........間違いじゃなかったぞエマ、ブルよ。そしてみんな...これでまた平和な日々が訪れるぞ...。」

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P32

声「よかった..よかった..あの子にはわたしたちの声がわかったみたい..」

声「そうだねえ..あのお花たちとは昔から仲良かったから..また会えて嬉しかったね..」

声「うん..あのお花たちもぼくたちも..ずっとずっと共に生きていきたいねぇ..」


あら、太陽も顔を出しました

お天道様も機嫌を直してくれたみたいです。

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P33

あ、そうだそうだ。

どうして場所によって
ダイヤの色が違うかって?

その土地に息づく自然や生物..
人々の想いは場所によって全くちがうんだ。
その想いは土地柄や雰囲気を作る。
そして長年かけて地中深くのダイヤをも色付ける。

きみたちだって同じだろ?

ひとりひとり色もちがうし
輝く才能だってちがう。
それと同じさ。

ダイヤを磨いて磨いてぴっかぴか

自分だけの才能を見つけてキラキラ輝かせていこう。
__________

P34

【11話 伝える者たち】

シャーリンの日記より抜粋

コンコン熱による騒動はお医者様が発見し調合してくれた薬によって無事に収束した。

ダイヤ国のみんなが現在も平和に暮らしていけるのは紛れもなく2人の...男の子と女の子の活躍のおかけだ。

"ブルとエマ"
このふたりが...遠く離れた町と町..人と人とを様々な意味で繋げてくれた。


ただ道を繋げただけではない。
ただ時間と距離を埋めただけではない。


人々が持つ時間を豊かにしたのだ。

家族と過ごすかけがえのない時間

趣味や勉強のための有意義な時間

仕事へ注ぐ情熱的な時間

愛する人と歩む特別な時間

改めて思う...
ブルとエマがしていることは
ただの移動の手助けだけではない
人々を背中に乗せ...
同時に人々の気持ちや想いを運び
人から人へ繋ぎ伝える
そのお手伝いをしているのだ。

そしてそれらは
様々なものや人へと連鎖し...
やがて未来に大きなものを遺すだろう。

それがなにかはまだわからないが...
私はその手助けと...
なにより二人への恩返しのために
この日記を後世へと遺すことにした。
__________

P35

ブルとエマはよく
私たちはふたりでひとつと言っていた。

そんな彼らに特別な名前を与えたいと思う。

彼ら二人は"伝える者たち"だ。

"伝える者"

"伝者"

"でんしゃ"

そう呼ぶことにする。

       
       〜END〜


※絵本の内容はこれが完成版ではありません。
※絵本の挿絵などもすべてぬくさんが手掛けています。

🔻絵本の挿絵の制作過程はInstagramへ!
https://www.instagram.com/nukusan1007/

ブルエマ



🔻この物語が生まれた経緯、絵本にかける想いとぬくさんの目指す未来などは下記のYouTubeで語ってくれているので、もしよければこちらも併せてご視聴いただければと思います。

リンク:https://youtu.be/12bw5tDksuo



チロ公は今後もぬくさんの夢を全力で応援していきます!
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ぬくさんの想いを応援したい方は
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ぬくさん
・1988年10月生まれ
・横浜市在住
・電車運転士として働く傍ら、”世界を愛で満たしたい””世界の笑顔の総量を増やしたい”という想いを叶えるために、コツコツと絵本を描いている。


Twitter
https://twitter.com/nukunukunukushi
Instagram(本垢)
https://www.instagram.com/nukusan1007/
Instagram(絵本official)
https://www.instagram.com/official_blue_emer_/









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