がん原遺伝子と抑制遺伝子
★がん原遺伝子が原因の遺伝性腫瘍症候群
☆がん抑制遺伝子が原因の遺伝性腫瘍症候群
★がん原遺伝子に活性化変異が起きる場合、遺伝子変異の場所は限られているため頻度が低い疾患。
多発性内分泌腫瘍症2A型(MEN2A※)の例:MEN2Aは常染色体優性の遺伝形式をとる。原因遺伝子RETの活性化型変異を引き継いだ場合、甲状腺髄様がんの発症リスクが高くなる。
※MENにはMEN1型、MEN2Bもある
MEN2AではRETに活性型の変異が起こると細胞増殖をつづけるようなシグナルがオンになる。
がんはシグナル伝達経路の疾患ともいわれる。
この遺伝子変異が甲状腺髄様がんなど特定組織のがんを引き起こし、そのほかの部位にがんを引き起こさないのかはという点に関してはまだ解明できていない。
RET遺伝子は多くの組織に発現している。
機能獲得型ではなく、機能喪失型の変異が入るとMEN2Aとは全く違うヒルシュスプルング病が引き起こされる。
RET受容体が腸では自律神経節に分布しており、この部位でRET受容体が機能しなくなることで腸の蠕動不全を引き起こすためヒルシュスプルング病の発症にかかわる可能性
同じ遺伝子の変異であっても『機能獲得型』と『機能喪失型』では全く異なる影響
機能獲得型:遺伝子の正常機能が更新したり、遺伝子産物量が増加したりする場合に発生する
タンパクとしての機能が亢進することにより疾患発症するタイプ。がん原遺伝子の機能活性化
K-RAS遺伝子の◆p.G12D◆p.G12V◆p.G13D
は体細胞変異(受精卵の時にはないが、その後の発生途中で獲得された変異。個体は変異をもった細胞ともたない細胞のモザイクとなる)により活性型のがん遺伝子となって大腸がんなどの原因となる。
p.V14Iの胚細胞変異(受精卵のときに既に存在した変異<受精する配偶子が持っていた変異> その個体の細胞全部が変異をもつことになる)であれば先天奇形症候群のヌーナン症候群/コステロ症候群の原因となる
またGNAS遺伝子の活性型変異ではマッキューン・オルブライト症候群が発症する
表現型:アレルの組み合わせ(遺伝型)によって現れる形態・機能的特徴
遺伝型:どのような遺伝因子をもつかを表現する。遺伝型は2個の記号で表記される
疾患原因変異遺伝因子をM、もともとの配列の遺伝因子をWと表記すれば1個体は
M/M、W/M、W/Wの3種類のいずれかの遺伝型になる
このMとWを対立遺伝子アレルとよぶ
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