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がんができる流れ①

大腸がんが「正常粘膜→良性ポリープ→悪性大腸がん」へ進行する典型例

第1ステップ:APC(がん抑制遺伝子)の不活化変異で 腺腫が生じる
第2ステップ:K-RAS遺伝子の点変異により腺腫が増悪
第3ステップ:TP53遺伝子の不活化変異で大腸がん

ほかの種々の遺伝子異常により、浸潤や転移がおこると考えられている。
変異が連続して起こる様子を発がんのカスケード

遺伝性のがん
多くのがんは多因子性。メンデル遺伝病のように50%や25%で遺伝することはない。環境因子とがんになりやすさの遺伝的多型の組み合わせによって発症
メンデル遺伝病のような場合、原因遺伝子はがん抑制遺伝子的な働きをする遺伝子の2つのアレル変異によっておこる。

がん抑制遺伝子の機能は劣性の形質のため、体細胞の1つの細胞内で2つの対立遺伝子の両方に変異が起こると、細胞増殖の抑制が効かなくなる。

家族性に発症する患者はこの1つのアレルに生まれつき変異をもっているが

1つのアレル変異は表現型や生殖年齢まで影響しにくい為、常染色体優性遺伝として子孫に伝わる

しかし、体細胞分裂を繰り返しているうちにもう1つのアレルに変異が入ってしまった細胞は、その後増殖抑制が効かずがんへと進展している

多くのがんは遺伝要因と環境要因の両方が関与
一部のがんは遺伝的要因が非常に大きく関与しており、家族集積性が高く、こういった腫瘍を遺伝性腫瘍とよぶ

遺伝性腫瘍症候群とは、受精卵の段階で原因となる遺伝子に生殖細胞系列の変異をファーストヒットして持っているものをさす。そこに体細胞変異でセカンドヒットが入ってくると発がんに至る。

そうして同じ人に何度もがんができたり、両側性のがんや重複がんといった特徴をしめす

散発がんは、家系内にがんの罹患者がいないことや、いても高齢発症であることが多い

生まれた段階では両方のアレルは正常。体細胞変異で2つのヒットが重なることで発がんに至る

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