読書後感想と思う事『こころ』

夏目漱石のこころを読み終わったので感想。
めちゃくちゃ簡易的にネタバレ無し感想と、数行開けてネタバレ有で少し書く。

こころの話の流れは、有名だからなんとなく知っていたし、道徳か国語の教科書で少し読んだことあったし、みたいななんとなくで選んだけどめちゃくちゃ面白かった。
やっぱり名作は名作なんだね、って感じ。
有り体に言うと、最近ずっとあった心の闇みたいなの、自分としては肯定しやすくなった。
文章はやっぱり古いのもあって、久しぶりの読書としては読み応えと読みにくさどちらもあった。
最近の本から入るべきだったかな、って思ったけど慣れてからは気にならないくらい読みやすく感じた。
やっぱり名作は没入感というか、続き読みたい、みたいなのが強いよね。
もう少し早く読むべきだったと言う思いと、今だからこそ良かったみたいな思い、どっちもある。
感動とはまた違った感じかな。
読んで良かった、面白かった。






此処から先はネタバレを一応含みます。












正直に言うと教科書で読んだ程度だったから、三部構成であることも知らなかった。
最初に先生と話者の出会いから、先生についての掘り下げがあったからこそ遺書が効いてくるんだろうね。
先生とどんな話をしたか、先生がどんな風に考えている人か、先生の最期と親友を裏切った事は知ってたとはいえ、それがこうやって影を落としているのかと納得しながら読んでた。
先生は叔父に裏切られていたからこそ、人を嫌いになって、自分も親友を裏切って自分も嫌いになって、陳腐に言うと総てが嫌になって死にたさがあったわけで。
死んだように生きるって言葉は、めちゃくちゃ刺さった。
誰にも言えない秘密を、話者に伝えた時の気持ちってどうなんだろうね。
すっきりしたのかな。
自分はすっきりしてしまったけど。
罰されたい、軽蔑されたい、で話して慰められてすっきりしたけど、先生はどうだったのかな、なんて想いを馳せてみたり。
恋は罪悪で神聖かあ。
多分、一番刺さる時期に読んだかもしれんなあ。
って思いながら読んでた。

精神的に向上心のないものはばかだ、も割と刺さるよなあ。
最近ずっと日々を生きるだけだったからなあ。

先生は最期どうだったんだろうね。
楽になれたのかな。
Kの最期もどうだったのかな。

俺は今のところ不自然な暴力は使わないつもりだし、抱えて生きるつもりだけど。
死にたい気持ちを抱えながら生きる辛さをわかるとも言えないし、何も言えないけど。
何となく。
何も言わずに終わらせて、誰かには言いたい気持ちは、何となくわかる気がするなあ。

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