宗教2世の結婚で大切なのは「宗教人生の問い直し」

こんにちは。
恋愛経験が限りなくゼロに近い身でありながら、宗教2世の恋愛・結婚について書いています。
理由は、私自身が自分の結婚で悩んだとき、同じ経験をした人の話を知る機会がなくて、心細かったから。

さて、私は一般のキリスト教2世です。
クリスチャンではない人、いわゆるノンクリと結婚して今に至ります。

宗教2世の結婚は、親の宗教観と対峙したり、親と自分と相手、相手の家族とのすり合わせをしたりと、気苦労が多いもの。

そんなときに大切なのは「じゃあ、自分は子どもの頃から付き合ってきた宗教と、どう付き合っていきたいの?」ということだと思います。

・結婚式はどうするのか?自分の宗派で挙げたいのか、こだわらないのか?
・自分は結婚して新しい家庭をもったあとも、宗教行事(私の場合は礼拝)に参加し続けるのか?
・ふだんは宗教行事に参加しないとしても、この日だけは行きたいというもの(クリスマスとか復活祭とか)はあるか?
・子どもへの宗教教育はどうするのか?

細かく色々あるかもしれませんが、交際当時の私がまとめていたのは、こんな感じ。
信仰の深いところまでは、結論を出そうとして出せるものでもないので、そこまでは突っ込まなくて大丈夫。

相手と生きていく上で、相手や相手との間に授かるかもそれない子どもに関係してくるところを考えていきましょう。


ここまで整理しておけば、相手との話も(結果はともかく)しやすいです。

一番いいタイミングは、親が相手に宗教の話をバーっとしてきたあとかな。
「さっきは、親がごめんね…。私のほうは」と切り出したら、話の流れがスムーズだと思います。

ちょうど相手も「本人はどういうスタンスなんだろう」とモヤモヤしているけど、聞きにくい。そんな気持ちでいることでしょう。
ピンチを、お互いの理解を深めるチャンスに変えるのです。

私の場合は、
・神自体はまだ信じている
(当時は正直よく分からない状態。その後数年経って、神がいるかどうか、こだわらなくなりました)
・私自身は、教会に通いたくない
・子どもを教会に通わせたくない
・ただ親が納得するためにも、結婚式だけは教会で挙げさせてほしい。
(受け入れてもらいました。ありがたいです)
・結婚するまでは、親の気性の問題もあって、親の言うことを呑まざるを得ない。ただ結婚後は親に従うつもりはない

と伝えています。一気にではなく、徐々にです。
我が家の場合、親のほうから色々あるたびに話していきました。
(ただ、同じクリスチャンでもキリスト教の話をまくしたてない人もいると思う)

もちろんこれで関係が終わってしまうこともあるでしょうね。本当に悲しいし、悔しいだけど。
2世じゃなければ経験しなくて済むことがあるのは事実です。

実際私も、夫からは「私がいわゆるガチクリだったら、結婚はキツかった」と言われたことがあります。これは差別ではなく、価値観の違いです。
夫に詳しい意図を確認したわけではありませんが、

・特定の思想に深く傾倒している人とは付き合いにくい。
・日曜のたびに教会に行かれたら、一緒にいる時間が減ってしまう。なんのために結婚しているのかわからない。
・子どもが小さい時から、特定の思想信条を信じさせて育てるのは反対。

と言う人は、少なくないんじゃないかな。
たとえ世間の評判は悪くない宗教であったとしてもね。

色々書いてきたけど、結局、
・しっかり宗教活動したい人は、同じ宗教同士で結婚したほうがスムーズだろうし、
・宗教に疑問をもったり、宗教コミュニティが苦手な人は外部の人も結婚しほうが、その後も自分らしく生きられる、

ということなのでしょうね。

この宗教人生の問い直し、正直面倒です。
圧倒的な善悪(ただし、あくまで教団の善悪なので、穏健な団体であっても一部偏っている)をまっしろな心に刻まれて育った宗教2世にとって、自分が自分の感情と向き合うのは、怖いことでもあります。

でも、この作業をしておくと、自分という人間がよく分かってきます。これは後々、大きな力になります。
恋愛や結婚を考えている2世さんも、そうでない2世さんも、ご健闘を願い、応援しています。

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