hamadai

たぶんだぶん。

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ただ空白を暮す

 ただ鬱々と、同じ日々を繰り返す。 目が覚めて頭の痛さに目を背けつつ、スマホを開いて今日も大学かバイトかと暗い気持ちになり、ぼーっとこなすうちに夜が来る。 明日が来るのが怖くて、なかなか寝付けずただ夜が更けていく。 やっと眠れたかと思ってもずっと浅瀬にいるため、幾度となく目が覚めてしまう。 もはや今は眠っているのか、起きている状態なのかわからずただただ辛く苦しい。 あまりのストレスで大声で叫んでやろうかと何度も思ったが、ただ枕に顔を強く押し当てて唸ることしか出来なか

    • 慎重に身長を測った話

       大学生5回目の健康診断に行った。 5回目ともなると慣れたもので、空いている時間を見計らい受付をし、空いているルートを歩むことができるようになる。 受付を済まし身長体重を測りに行く。 空いているタイミングで行ったため、部屋に入ると測定士3人に僕一人というドラクエ序盤のスライム状態となった。 スライムが青い理由なんて考えたこともなかったが、あれはきっと1人の心細さから青ざめているのだと思う。 かわいそうに。 優しそうな女性の測定士のところへと誘われ、3対1からタイマ

      • 拝啓 響いて生きろ。

         大学一年生の冬、漠然と想像していた未来が唐突に閉じた。 僕が生きる意味であり、希望であり、道標であったものを無くしてしまった。 散々思考を巡らせ、後悔を張り巡らせ、泣き喚き、少し冷静になったころスマートフォンを開き、一人の友人に一通のLINE。 「大至急、話を聞いてくれ」 久しく会っていない高校のときの友人。返信はすぐに返ってきた。 「明日、くら寿司でいい?」 話を聞くなら相場カフェだろと思った。 「『体は元気なんですけど、熱が37度5分あって〜、どうすればい

        • 背番号3

           目が覚めると腹筋の痛みですぐに起き上がることができなかった。 寝転がった状態のまま枕元に置いたスマホの電源をつけ、日付を確認する。 2月19日 ああついに終わってしまった。 喪失感と幸福感とたくさんのお守りでパンパンに膨れ上がった心を納めるため、深く息を吸い吐き出す。 楽しかったな。 小さくつぶやくのと同時にお腹の痛みの原因に気づく。 昨日笑いすぎたせいか。 とんだ大バカ幸福野郎である。  始まりはおよそ1年前。 3月18日 「ニチレイプレゼンツ……」

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        ただ空白を暮す

          窓 窓 柱 窓 窓 柱 窓 窓

           昔よく自転車で駆けた道をこの前久しぶりに歩いた。 六年ほど通っていたピアノ教室へと向かう道。 行きは憂鬱で自転車をゆっくりと漕ぎ、帰りはこの脚が持つ限り全力で漕いだ道。 そんな全速力で走っている中でも目を奪われた青い看板の小さなゲーム屋があった。 看板の端には「新しいゲームあります」の文字。 店の入り口が日焼けしたゲームのポスターで埋め尽くされており中は一切見えない。 たまに客が出てきたタイミングで開いた自動ドアの隙間から覗くことができたが、ただ薄暗いという情報

          窓 窓 柱 窓 窓 柱 窓 窓

          「いえーい!」なんて言えない

           皆さんは山手線ゲームというものをご存じだろうか? よく移動中の暇な車内や大学生の飲み会で催されるこの遊び。 ルールはシンプルで、お題として定められた1つのテーマに該当する答えを、参加者が順番に1つずつ言っていき、詰まったり同じものを言ってしまった人が負けというゲームだ。 実際にやったことはなくともYouTubeやテレビなどで1度は目にしたことがあるだろう。 このゲームに対して長年疑問に思っていることがある。 とりあえず実際にゲームの流れを見て頂こう。 「山手線ゲ

          「いえーい!」なんて言えない

          頭回すと語彙が飛ぶ

           高校時代に一度、アイドルの握手会に行ったことがある。 その時は友人に半ば強引に連れられていったため、もちろん何の準備もしておらず、列に並んでいる間ずっと緊張で吐きそうだった。 何を話そう。どうすれば気まずくならない。そもそも俺みたいな浅いオタクが握手会なんてきていいのか。いや、そもそも行くならもっと前もって誘っておけよ。なんで当日連行なんだよ。これあれか、「友人をいきなり握手会に連れて行ってみたドッキリ」か。どうせテンパってる姿を、あとで他の友人たちに伝えて皆で大笑いす

          頭回すと語彙が飛ぶ

          着信拒否予備軍

           現在、連絡手段というのは数多く存在している。手紙に始まり、メール、LINE、SNSなど本当にたくさんある。これらは全て送った時間に関係なく、受け取った側の都合のいいタイミングで返信することができる。 そのようなものに慣れてしまっているからか、リアルタイムでの対話しかできない「電話」が少し苦手だ。急な着信があるとちょっとだけ身構えてしまう。 そんな電話に関してここ数日悩まされていた。  始まりは10日程前。 日課であるネットサーフィンをしていると、突然着信を知らせる振

          着信拒否予備軍

          ベタベタ。ベタベタ。

           僕は何事もベタなものが好きだ。  朝起きたら最初にすることは二度寝だし、目覚まし時計が鳴ればイラっとするし、起きてすぐに意味もなくTwitterを開く。 その日着る服を選ぶのは億劫だし、行くのめんどくさいなとか思いながら荷物をリュックに詰めるし、時間がないのに意味もなくInstagramを開く。 別に聞きたい音楽もないけどとりあえずイヤホンはするし、待ち合わせに遅れそうなら「ごめん、遅れる」とLINEするし、信号がプカプカすれば少し走ってまだ渡り切ってないのに歩く。

          ベタベタ。ベタベタ。

          ウマとフリとオチと

           先日、友人と遊ぶ約束があった。待ち合わせ時間が14時だったのだが、その前にどうしても行かなくてはならないところがあった。 壁面に大きく馬の横顔と3つのアルファベット。 そう、場外勝馬投票権販売所、ウインズだ。 この日は競馬の祭典「日本ダービー」が行われる日であり、予想のためにこの1週間ありとあらゆる情報を集めた。これまでの戦績やタイム、血統などの確かなデータからTwitterに転がるたまたまだろみたいな信憑性の薄い情報、そして粗品の呪いまで本当に幅広く情報をかき集めた。

          ウマとフリとオチと

          「押」

           大学の終わった時間が早かったので、のんびり歩いて帰るかと思い、最寄り駅の1つ前の駅で降りた。 改札を抜けると、最寄り駅より少し栄えた町並み。弁当屋とラーメン屋が交互に並ぶ景色を横目に大通りに出る。 大通りの横断歩道を足早に渡り、なだらかな坂を登ると、今度はピアノだったらドレミまでしか弾けなさそうなくらい短い横断歩道。 こんなに短いのに信号機はちゃんとある。赤なことを確認し立ち止まると向かいに2人、隣に2人。同じように信号機が青に変わるのを待っていた。  車は1台も通

          「押」

          時の流れって川の流れ

          小さいころ、時の流れはゆるやかでゆったりとしていた。 朝、登校してから給食までの時間は果てしなく遠かったし、親と買い物に行ったときベンチに座って待っている時間は無限だったし、クリスマスイブの夜は永遠に来ないんじゃないかと思っていた。 そういえば「ちびまる子ちゃん」から「サザエさん」にかけてのCMが異常に長かった。あれはきっと15分くらいあった。たぶん。 歳を重ねるにつれて、時の流れは激しく急になっている。 午前中なんて何も出来ずに終わるし、ちょっと出かけただけですぐに

          時の流れって川の流れ

          向いてない側の人間だった話。

          「やっぱり飲み会はクソだった」 2021年12月30日5時46分。 空がほんのり明るくなってきた帰り道、冬の空気で冷たくなった指先で友人に送ったLINE。 「今年は忘年会できそうだけど、くるよね?」 街の至る所がビカビカと光り出したある日、バイト先の上司に言われた。 「ほんとですか!楽しみです!」 反射的にこう言ったけどめっちゃ嘘。 本当は家で年末の特番をだらだら観たい。 ただでさえバイト先に馴染んでないのに、長時間座って食事して喋るとか考えられない。 心の

          向いてない側の人間だった話。

          時間は解決してくれない

           中学卒業後クラスメイトの半数を相手取って喧嘩をした。 なんか字面がいかにも「武勇伝語ってやんよ!!」みたいな感じになってしまっているが、そういう話ではない。 喧嘩といっても廃工場に鉄パイプで裸に学ランとかの類いじゃないし。 ただの現代に起きがちなSNSでの失敗である。  中学生なんてちょっと悪いことに憧れるお年頃じゃないですか? ずっとなにかにイライラして、人の悪口を言うことで自分は強いんだぞってアピールして、知ったばかりの恋愛をさも慣れてますよって感じでかっこつ

          時間は解決してくれない

          枕を6回叩くと

           1日24時間という設定があまりにも短く、やりたいことがろくにできない。いや、そもそも24時間すべてを起きてるわけではないので、このゲームはもっと鬼畜だ。 朝食を食べ、大学の講義を受け、昼食を食べ、大学の講義を受け、課題をこなし、夕飯を食べ、バイトに行って、風呂に入り、ちょっと本を読んで、寝る。 毎日、講義や課題の内容は多少なり変わるがだいたいこんな感じだ。 つまんない。あぁつまんない。 本当は映画を観たいし、ゲームもしたいし、絵だって描きたいし、本ももっと読みたい。

          枕を6回叩くと

          もう続きは書けない。

           先日、スマホのメモアプリを整理していたら面白いものを見つけた。説明は最後にするので、とりあえず読んでみてほしい。  やっと君の元へ行ける。 僕は左の膝を冷たいコンクリートの地面につけ、黒い革靴の紐をほどいた。 右足の靴を脱いだあと、今度は右膝を冷たいコンクリートにつけ、同じ動作をする。 先ほどとは違い、膝だけで無くつま先までも冷たい地面によって冷やされる。脱いだ靴の中に丸めた靴下をいれる。 こんなときでも靴を放ったりせず、綺麗に並べているのは完全に彼女に染められてし

          もう続きは書けない。