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IT業界ってやつ……

今年の2月にIT業界へ転職して、あれやあれやという間に3か月が経ちました……。

2月に入社したにも関わらず、実際に働きだした(会社に貢献)のはごく最近となりました。

その辺のお話をちらりとさせていただきたいと思います。

そもそも、IT業界のお金の流れからご説明いたします。

あ、長くなりそうなので、やっぱりここは端的にいきます。

簡単にいうと、社員が顧客(企業)に入り込んで仕事をすることで会社に報酬が支払われます。(この働き方を客先常駐(SES)といいます)

「入り込む」と表現すると、語弊があるかもしれませんね?

ま、普通に顧客の会社の機密情報となりえるデータを扱うので、客先でスペースを用意してもらって仕事をする、それだけです。

このお仕事に就けるかどうかは、会社の営業力・パイプ次第なところがあります。年齢が比較的若め(20代)だと経験値がほぼなくてもお仕事に就けます。年齢高め(30代後半)かつ未経験の私はやる気があっても、将来のキャリアプランを考慮すると……待機期間が二か月半にもなりました。

そう、「待機期間」!!

今回のお題ともいえるのは、おそらくIT業界独特の「待機期間」についてのお話です。

この待期期間について、就職活動中に耳にすることはありませんでした。

なので、会社に勤めだしてから知った私としては衝撃的で……改めて、いい会社に入社できたんだなと思わずにはいられませんでした。

この「待期期間」といわれるIT企業に勤めているにも関わらず会社に貢献するべく顧客のお仕事に携わることがない期間。

要は、無職のようなものです。
なので、IT業界では各々の会社が待機期間中について給与規定を設けています。

私の会社は全額支給。
(私はこれが普通だと、常識だと思っていました)

大阪のIT企業の大半は無給、もしくは、基本給の半額支給。待機期間中は、研修を用意してもらえる……なんてこともなく、会社に出勤する必要がなく、自宅待機です。お仕事があれば、会社からお声がかかります。そこから、顧客と面談をして、見事採用されれば……。

「………マジっすか!?」

本音とともに衝撃を受けたのは言うまでもありません。

そして、わが社に面接に来た男性は、待機期間中に就職活動をしていました。そう、待機期間中……。お給料は半額だったようです。それが不満の1つ目。2つ目は、与えられた仕事が「開発案件」ではなかったこと。

ホワイ??

私の中の謎が深まると、うちの社長は優しく温和な口調で昨今のIT業界の歴史から情勢、関西のIT企業の(社長が知りうる限りの私見)懐事情を教えてくれます。(ほんと、ありがたい……)

まず、大前提に、ネットでよく出てくるシステムエンジニアやプログラマーの平均的な年収などの記事。これは、真実であって、真実ではない。

これ、東京価格。
大阪と比べると、東京は案件にもよるけど、1.5倍から2倍くらいの違いがあるらしい。あと、お仕事となる案件の数と内容にも違いが大いにあるようで……実際に社長の元に届くお仕事の内容を見せてもらいながら話を聞いた限りでは……大阪でPythonやrubyなどの流行り、使えたら絶対仕事にあぶれない!!的な言語の案件はほぼない……。
あと、開発案件=プログラミングが打てないと将来性がない……的な話のネット情報は記事の中身よりも前提条件を考えて参考にした方がいいよ?
新卒の20代前半の子を対象に、就業場所が東京なら大体のネット記事は参考になるかもしれないけど、キャリアプランは人それぞれだからね?
IT業界でどんな風に働きたいのか、将来の夢は?希望年収は?
いつまで働くのか、いつまでプログラミングを打ち続けるのか……現実的で具体性のある目標を持った上で柔軟な思考を持っているとキャリアプランの壁にぶち当たってもそこまでストレスは感じない……はず。
(ちなみに私は年齢的にこれ以上の転職は望めそうにないので、石にかじりついてでも……というのは言い過ぎですが、とりあえずIT業界で定年まで働けたらいいなぁ程度の考えしかもっていないです。自分に何ができるのか、そんなこともわからない状態でお仕事を選ぶなんて……滅相もないと思えるほどには就職活動で自分の市場価値を理解させられましたわん。泣)

一応、前情報として伝えておくと、うちの社長って見た目は普通のおじさんだけど、IT業界22年のキャリアを持つエンジニア上がりの現場バリバリこなしてた系の社長よ?
で、性格も温和で、困ってる人の話聞いたり、助けたり、責任感のある仕事をしてきたおかげで……ちっさな会社なのにSlerさんから直でお仕事のお話がきたりする人だからね??

そんなうちの社長的な目線で知りえた情報だけど、待機期間中に無給とか自宅待機なんてのは昨今のIT業界では普通にあることで、待機期間中に退職されたりしないように会社に愛着を持ってもらう為にイベントとかしたり、資格手当を上げたり、参考書を買ってあげますなんてのもしてるだけなの。
実際、顧客の元で仕事に就いたら自社に行くことなんてほぼないから愛着もわかないんだって。ドライだね~と社長の話を聞いてたけど、経営者側としては人材確保は会社の重要課題だから結構本気で困る話みたい。社員が定着して、客先で仕事をしてくれるだけで会社には報酬が入るんだから「人月商売」なんて表現したりする業界だからね。
(人月商売=社員1人を1か月いくらで客先に常駐させて報酬を得る)

IT業界は会社を渡り歩くのなんて普通って話も聞くけど、これもその人のそれまでの経験値で大きく変わる話。あと、年齢。
雇ったところで稼働率(定年までの残勤務期間)が少なければ……ね?
少し横道にそれちゃうけど、ついでだから……。
誰でも最初は未経験。これは、みんな同じスタートラインでなんの仕事をしてても一緒の話。じゃ、どこが違う?
答えは、スタートする年齢。
未経験の時は誰しもお給料は低額なものと受け止めて……。
次に(一回目の)転職した時は、経験を積んでる分だけ最初からお給料が多くもらえる。投資をする必要がないから、会社は経験値分だけお給料を割増しても痛くも痒くもないの。
その次に(二回目の)転職した時は……、経験値とその時の年齢によってお給料は多少なりとも上がるでしょう。
じゃ、同じIT業界内で三回目の転職は?
ここら辺から少し事情が変わってきます。
まず、退職理由をじっくり吟味され、すぐに退職しないか?と最初から長く勤務する可能性が低いと目算されます。
前職で責任者(PL=プロジェクトリーダー)としてバリバリと働いていた……なんてキャリアの人がなぜ転職?と思っても採用はされるでしょう。
だって、人月商売ですもの。
人を企業に入り込ませて、プロジェクトに参画させて報酬が発生しますからね。投資(育成・研修)の必要がなくて、すぐにでも仕事に出すことができる人材なら……って話で採用はされるかもしれませんが、ただプログラミングが打てますってだけの人は……正直、難しい。
会社の方針によるだろうけど、わが社の方針としては少しでも長く働いてほしいので、ただプログラミングが打てるだけの転職回数の多い人材は採用しないのです。それは偏に社長の経験則によるものだけど、転職回数の多いプログラマーは大なり小なり難があるとの私見をお持ちのようで……会社の雰囲気が悪くなる可能性を含んでいるような人はお断りみたいです。
あと、最初から長く働いてくれるのかって見極め期間が内密に発生するので最初から出世コースに乗る……なんてことはないですよ?

さて、少し横道に逸れましたが……本題に戻ります。
今回のお話の待期期間、普通なら発生することは稀。
というのも、本当に会社に営業力がなければ待期期間が発生するかもしれないから断言はできないけど、IT業界は経験を重視する業界だから、未経験から1度でも現場に出て、経験値を積んでいれば、普通は仕事にあぶれることはないらしい。実際、大阪でも未だに人出不足だから案件の数自体は豊富にあるんです。ただし、経験者を求める案件ばっかりなんだけどね。ぷー

ここでも1つ誤解が発生しそうなので注意してほしいのは、仕事を選ぶと……待期期間は発生することあるよ?面接に来た子も会社から紹介された仕事を断って、開発案件に拘った結果が自宅待機だからね?自分のキャリアプランを会社とよく話し合うとか、自分で考えるとかいろいろとあるけど、開発案件に拘り過ぎると……ただの雑兵扱いされることになるよ?

待機期間中にいろんな人が面接に来ました。その中には60歳オーバーの経験者さんもいたりしてね。いろんな人が来社される度に社長にはいろんなことを教えてもらいました。そんな話はまた機会があれば……。雑兵についてとか…結構シビアな話になるから、あれかな?

(気になる人がいるかもしれないので面接の後日談を記述しますね)

結果として、その面接にきた男性は少しだけどプログラミングの経験があるのでうちの社長は待機期間中に就職活動をするなんていう不届きな若者を採用しました。1度の面接では決めきれず、結果としては3回も会社に来てもらったんだけどね。で、3度目の正直と思って、社長が内定を出そうとしたら、「他社の選考期間中なので週末まで待ってください」ときたもんだ。 社長はびっくりして、足代として用意してた封筒をそっと懐にしまって、静かに自席に戻ってきたよ?ちょっと落ち込みながら…。で、コロナの影響で入社してもらっても待期期間が発生する可能性があることを前もって説明しようと連絡した時に、出してもいない内定について相手から「内定取り消しですか!?」と言われて、咄嗟にうちの社長は「取り消しじゃないよ!」と切り返し、これが相手には採用されたという解釈に繋がりました。

38歳、未経験でIT業界に飛び込んだけど、いい会社に拾ってもらって、いい感じの顧客の仕事にも就けて……感謝しかない私。

ちなみに、IT業界に飛び込んだ割には、自宅にパソコンってものを持っていませんでした。長く保険業界にいると、自宅で仕事をするって感覚もないし、なんなら、自宅にパソコンを持つ必要性も感じてなかったのです。ただ、興味がある……それだけで転職をした私は……なろう系異世界転生好きのアラフォーです。

お粗末様でした。

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